ジョー・バイデン米大統領は、米国家経済会議(NEC)の次期委員長としてラエル・ブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)副議長の起用を検討している。政権幹部ら複数の関係者が明らかにした。関係者によると、最終的な決定は下されておらず、バイデン氏は面談を実施している段階にある。ブレイナード氏の他にも、次期NEC委員長として複数の候補が検討されているという。この中には、オバマ政権で行政管理予算局(OMB)や厚生省のトップを務めたシルビア・マシューズ・バーウェル氏も含まれている。ブレイナード氏をNEC委員長に起用すればFRBに空席が生じるものの、人事案を承認する上院では民主党が実質的に勢力を伸ばしており、バイデン政権の前半2年間と比べ後任の承認は容易になるとみられる。ホワイトハウスでは、FRB人事を巡り共和党との間で再び激しい対立が起きるリスクを冒してでも、ブレイナード氏を起用すべきとの声がある。リセッション(景気後退)の懸念が高まるなど、米経済は重要な時期にさしかかっており、強力なNEC委員長が必要だとの見方だ。