米情報当局の主要研究機関がサイバー攻撃の阻止に心理学の理論を活用する方法を探っている。情報高等研究計画活動(IARPA)の科学者が研究を進めているのは、ハッカーの行動を理解し予測する方法。サイバーインシデントをより効果的に防止することが目的だ。「サイバーセキュリティー研究の世界では、サイバー攻撃者がどのように行動し、意思決定を行い、戦術を選択するかや、攻撃者の認知がどのように機能するかを理解することはあまり重視されていなかった」。IARPAのプログラムマネジャー、キンバリー・ファーガソンウォルター氏はそう話す。IARPAの研究への参加者に提示された依頼によると、研究の目標は意思決定プロセスにおける先入観など、人間の限界を組み込んだシステムを設計し、ハッカーの動きを阻止したり、サイバー攻撃を遅らせたりすることだ。最終的には、ツールに組み込まれたアルゴリズムが観察によって把握したハッカーの行動に順応できるようになるかもしれない。