米国最西端に位置する太平洋の島でこのほど海兵隊の新たな基地の開所式が行われた。国防総省は中国との対峙(たいじ)に備え、改めて戦力を振り向ける構えだ。背景には米国の安全保障に対する中国の脅威が増しているとの認識がある。1952年以来となる海兵隊の新基地「キャンプ・ブラズ」は、現在も建設中だ。いずれ海兵隊員5000人を収容する予定だが、短期的には地域の脅威を抑止および探知する役目を担っている。長期的には日本と台湾からほぼ等距離にあるグアムの基地を、グアム島や北マリアナ諸島全体に駐留する海兵隊の訓練拠点とする予定だ。侵攻が起きた場合を想定して、重要なシーレーン(有事の際に確保すべき海上交通路)を含めて太平洋諸島を防衛する訓練を行う。