「あの人、最近なんだか疲れて見える」「急に老け込んでしまったみたい」……誰かの顔色や肌ツヤの具合を見て、その人の体調が心配になった経験があると思います。なんらかの病気であれば、それが見た目に表れるのもイメージがつきやすいかもしれません。でも実は、日常的に気になるシミや肌荒れ、ニキビなどのちょっとした肌の異変も、からだのなかの不調のサインです。見た目の老化からわかる問題と、その対策になる食事術とは。(消化器内科医 工藤あき)
怖い! 老けるスピードが加速する
髪がパサつく、爪が割れる。肌がくすむ、シミが残る。
年を重ねると、ふとした瞬間に見た目にも老いを感じることがありませんか? それは見た目だけでなく、からだの中の異常のサインかもしれません。
当たり前ですが、人は誰でも年をとります。でも怖いのは、からだの老化スピードが速い人と遅い人がいることです。
「ダニーデン研究」をご存じでしょうか。およそ1000人の健康状態を定期的に測定している研究です。2011年に測定したとき、当時38歳だった対象者のいろいろな健康状態を比較したところ、生物学的な年齢が30歳以下の人もいれば、60歳近い人までいたそうです。同じ38歳同士のはずなのに、その差はなんと約30歳!
もしも自分が年齢より老化していたら……と思うとゾッとします。ですが、実年齢より若い状態の人もいるのですから、しっかりと対策をすれば老化スピードをコントロールできる裏付けでもあります。
見た目や肉体の老化は、あなた次第で速くも遅くもなるのです。
では、老化スピードの差は、いったいどこからくるのでしょうか。