新型コロナの感染症法上の分類が5月から5類に変わることが決定した。これまで無料だったコロナの治療費やワクチン接種に関する費用負担は、今後どうなるのだろうか。連載『医療費の裏ワザと落とし穴』の第254回では、5類移行後のコロナ関連医療費について、気になるポイントを総ざらいしよう。(フリーライター 早川幸子)
新型コロナ2類相当から5類へ
医療費やワクチン費用はどうなる?
1月27日、政府は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を、これまでの「2類相当」から「5類」に見直すことを決定した。
現在、COVID-19の感染症法上の分類は、「新型インフルエンザ等感染症」となっており、国や自治体が講じる対策は、外出自粛の要請や入院の勧告などを伴う「2類相当」の厳しい措置が取られている。
だが、ゴールデンウイーク明けの5月8日から、季節性インフルエンザや肺炎球菌などと同じ「5類」に引き下げられることになったのだ。これに伴い、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が改定され、まん延防止策や水際対策などが大幅に変更される。
5類への移行で社会経済活動が活発になれば、低迷した日本経済の回復が期待されるため、観光業界をはじめとする経済団体は歓迎ムードだ。岸田文雄内閣への支持率も上昇している。
その一方で、気になるのが、5類移行後の医療費の自己負担についてだ。
確かに、パンデミック当初に比べると、重症化する人の割合は減っているものの、COVID-19は完全に収束したわけではない。実数では高止まりしており、1月31日現在、新規陽性者は5万7264人、死亡者数は246人、重傷者数は508人となっている。症状によっては高額な医療費がかかる可能性もある。
現在、COVID-19の治療費やワクチン接種費用は公費負担となっており、原則的に患者の負担はないが、5類移行後はどうなるのだろうか。次ページから見ていこう。
●ワクチン無料接種期間は23年3月から1年延長の可能性が高い