母親と子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

小学校受験で頻出の「お話の記憶」。大人がやっても難しく、対策法に悩む親も多いだろう。実は、多くの親が気づきにくい「簡単な攻略法」がある。実際の例題を元に確認してみよう。特集『幼児教育・お受験のリアル』の#7では「お話の記憶の攻略法」について、大手幼児教室、チャイルド・アイズの葛西香氏が徹底解説する。

 小学校受験に頻出の「お話の記憶」「数量」「図形」の3つの領域は、ペーパーテスト、具体物(個別)操作*、指示行動の中で問われることが多いです。そして、この攻略法はないかというご相談を受けることがよくあります。

 この3つの領域は、小学校入学に必要な力を備えているかどうかを確認するために、とても重要視されています。今回は、実際の例題を用いながら、「お話の記憶」の攻略法について詳しく解説しましょう。

お話をイメージ化できることが
ポイント!

「お話の記憶」の問題では、子どもたちはペーパーテストの用紙を伏せたまま何も見る前に、じっとその長文を聞いていきます。

 そこに必要なのは「集中力」です。「聞き取る力」も確かに必要ですが、お話の記憶は多くの要素が入っている総合問題です。まずはそのお話の内容、ポイントとなる事象を覚えていかなければならないので、相当な集中力が必要なのです。 

 では、そのお話、いったい何文字くらいの長文か想像できますか?

 チャイルド・アイズの年長児が年度の初めに使用する問題を集めた基礎版を例にお話ししますと、全文で3000文字程度のものに取り組みます。

 主人公が動物で、テーマに季節感を盛り込んだようなお話が多いのですが、この長文を黙ってじっと聞くこと、またそれを記憶していくことは、大人がやっても大変難しいです。

 その中で、主人公とその家族の様子、主人公以外の登場人物、5W1H、お天気、持っている物とその数量、そこで増えたり減ったりした物の数など、たくさんの要素を記憶しながら聞き進めなければなりません。

 大人はお話をイメージ化して聞き進められますが、子どもはこのお話の中に知らない単語が出てきてしまうとその単語に引っかかり、そのお話の先を記憶できなくなってしまいがちです。お話の内容を全て忘れてしまうこともあります。

 解答用紙には、絵にしるしをつけて答えていきます。登場した動物の姿を知らなければ、登場人物の持ち物や色などのイメージを持てていなければ、自信を持って正確に答えることはできません。

 次ページからは、チャイルド・アイズで使用している例題を用いながら、「お話の記憶」の攻略法について詳しく解説します。