米国では新型コロナウイルス流行期に膨らんだ家計の貯蓄が減りつつあり、中にはすっかり底を突いた家計もある。ゴールドマン・サックスの試算によると、1月中旬時点で米国の家計はコロナ下に積み上げた超過貯蓄の約35%を取り崩した。この割合は2023年末までに約65%に達する見通しだという。20年から21年にかけ、政府が現金を給付する一方で外食や旅行などの支出が減り、家計の貯蓄が増えた。ムーディーズ・アナリティックスによると、21年末までに米国の家計の超過貯蓄は2兆7000億ドル(約358兆円)に達した。この貯蓄が昨年の高インフレをしのぐ一助となった。だが、現金給付が終了する一方で物価は高騰し、それまで貯蓄を押し上げていた要因が一変した。
米家計、コロナ下の蓄え取り崩し
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