「働き方改革」が大声で叫ばれてから数年。昨今のコロナ禍の影響も相まって私たちの「働き方」は大きく変化しています。特に、仕事の効率化=業務効率改善は、多くの企業がお題目として掲げている大きな問題です。ITワークスタイルコンサルタントの山田榮一氏は、著書『誰も教えてくれなかった!業務効率改善のためのMicrosoft Teams活用術』の中で、「日々の業務の『無駄』を大幅に削減するためにもっとも効果的なのはMicrosoft Teamsを使いこなすこと」と言います。その理由とは?
組織が目指す3つの「業務効率改善」のポイント
働き方の変容が求められている昨今、多くの企業や組織がテーマに掲げて取り組んでいるのが、業務効率の改善、業務の効率化です。
業務効率改善とは、「業務におけるムダを削減して、より効率的に業務を進める」こと。その取り組みで組織が目指す「到達すべきゴール」は、大きく分けて「(1)時間の短縮、(2)業務の質の向上、(3)効率改善の継続・常態化」の3つになります。
(1)時間の短縮
1つ目のゴールは、業務を分析・改善し、「省けるはずのムダな作業」を削減することによってもたらされる物理的な「労働時間の短縮」です。
労働時間の短縮は、ムダな残業を減らすというメリットを生みます。残業が減ることで、従業員はプライベートな時間が確保できてワークライフバランスが向上し、企業も残業代などの人件費を削減できます。
(2)業務の質の向上
効率改善によって生まれた時間的余裕を、「やるべき仕事に、より多くの時間を割く」「考える時間やクリエイティブな作業をする時間に充てる」「新たな業務やイノベーションに投下する」などに有効活用できれば、業務の質向上、ひいては業績向上にもつながります。
さらに、ムダな作業が減って労働時間が短縮されると、疲労やストレスなどの身体的・精神的負担が軽減され、仕事への集中力やモチベーションが高まるというプラスの影響も期待できます。
(3)効率改善の継続・常態化
効率化の本質を理解せず、メスを入れるべき部分を間違えたり、場当たり的な対応をしていては、一時的には効率化できても長続きしません。
実際に、業務効率改善プロジェクトや取り組み強化が行われている間は効率化が維持できていても、その期間が終了したら元の木阿弥――というケースが非常に多く見られます。
効率化の取り組みを一過性で終わらせず、しっかり継続させること。さらに、朝起きたら歯を磨くのが当たり前であるように、意識しなくても自然に効率的な業務が行われるようになるまで定着させること。組織内でムダを省いた業務が習慣化され、常態化することこそ、目指すべき業務効率改善の最終ゴールとなります。
これら3つのゴールを目指すことで、社員にとっては働き甲斐のある、楽しい職場環境が実現します。一方、会社としてもそれらの効果が利益に結び付く「儲け方改革」を推進できるという大きなメリットが得られます。