「冬が憂うつな人」は季節性うつの恐れ、改善に効果的な“朝の習慣”とは写真はイメージです Photo:PIXTA

毎年、冬になると憂うつな気分やだるさを感じるが、「春の陽気」で復調する。こういう人も多いのではないだろうか。実はその症状、「季節性うつ(冬季うつ)」の自覚症状かも。いまだに謎が多い「季節性うつ」の特徴と対策、また春にかかる人の多い「五月病」との違いについて、あらたまこころのクリニック院長の加藤正氏に話を聞いた。(清談社 小森重秀)

幸せホルモンの減少が
季節性うつを引き起こす

 冬になると本来の調子が出ない……。と、毎年悩む人もいるかもしれない。その不調は、もしかしたら「季節性うつ(冬季うつ)」かもしれない。

 季節性うつは、10月頃から冬にかけて症状が表れて、春先の3月頃に良くなるというパターンを繰り返す特徴がある。また、一般に「うつ病」として認知されている「大うつ病性障害」とは異なる、特有の症状が出るそうだ。

「気分が落ち込み、活動量が落ちて人付き合いを避けるようになるといった点では、季節性うつと普通のうつは共通しています。ただ、普通の「うつ病」というと、食事を取れない、夜眠れないといった症状が多いものです。一方で、季節性うつの場合はチョコレートや菓子パンなど甘いものを夜に食べたくなったり、やたらと眠くなってしまうことが多いのです」(加藤氏・以下同)

 ただ、冬になるとモチベーションが上がらない、甘いものが食べたくなってしまう、といった感覚は多くの人が覚えるのではないだろうか。実は、季節性うつかそうでないか明確に区別することは難しいのだという。