新しく何かを「習慣」にするのは、とても難しい。「三日坊主」という言葉があるくらいで、挫折を繰り返してきた人も多いのではないだろうか? そんなあなたにお勧めしたいのが『小さな習慣』という1冊だ。身につけたい習慣を“ばかばかしいほど小さく”することで、簡単に続けられるメソッドだ。習慣を小型化することの効能が「脳の仕組み」から丁寧に解説されている。本書の方法は気軽にできるので、失敗することなく成功体験を積み重ねられる。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して「小さな習慣」とは何かについて紹介していく。(構成:長沼良和)
習慣は「小型化」すると継続できる
「小さな習慣」とは、毎日これだけはやると決めて必ず実行する、ちょっとしたポジティブな行動のこと。習慣にしたいことを「細かくして小さく」したものである。
小さな習慣は“ばかばかしいほど小さな”ことなので、失敗しようがないほど小さいことを実践する。
たとえば、「100回の腕立て伏せ」を習慣にしたければ、まずは「1回の腕立て伏せ」を習慣にするところからスタートする。
「1時間の瞑想」を習慣にしたければ、「5分の瞑想」から。「毎日3000文字」書けるようになりたければ、「毎日50文字」を書くことを習慣にすることからはじめる。
失敗しようがないほど小さいから、毎日確実にやり切れる。そして、そのうち楽に続けられるようになる。
結果的に、いつも達成感に満たされたポジティブな気持ちでいられるので「自己肯定感」が高まる。良い循環が生まれるのだ。
「おまけ」を駆使して習慣を大きくする
「小さな習慣」に慣れてくると、「おまけ」をつけたくなるようになる。
この場合の「おまけ」とは、「もうちょっとやってみよう」という「勢い」のことだ。
1歩前に進んだら、助走がついてさらに前に進みたくなるものだ。
たとえば、腕立て伏せを1回やると決めたら、「もうちょっとやってみよう」と思って、2~3回やろうとする。
「おまけ」によって、より多くのことがこなせるようになり、小さな習慣を大きな習慣にしていける。
とはいえ、あくまで「おまけ」なので、1回の腕立て伏せを3回に増やしたからといって、毎回3回やらなければならないということではない。
日によって気分が乗れなければ、また1回に戻しても良い。
気づいた時にサッとできるくらいの習慣
大事なのは、「毎日続ける」ことだ。
どんなに小さいことでも、毎日繰り返すことによって習慣化されていく。
しかし、時には気分が乗らなかったり、忘れてしまうことがあるかもしれない。
どんなときにも簡単にクリアできるほど小さい習慣であれば、ギリギリのところで続けられるのだ。
危なく継続が止まるところだったが、なんとか継続できたという成功体験は、「続けられている自分ってすごい」と思えて想像以上に精神面でプラスの効果がある。
小さくすれば、コツコツ続けられる
大きな目標を立てたときには「本当に達成できるのか」という不安と戦うことになる。
とはいえ、どんなに大きな目標でも、「千里の道も一歩から」だ。確実に一歩一歩前進しなければならない。
その一歩が「小さな習慣」だ。
小さな習慣を毎日繰り返していくことで、だんだん大きな習慣になる。習慣を繰り返していくことで、目標を達成できるのだ。
身についた習慣は「簡単には消えない」
習慣化が難しいことは、私たちは経験上よく知っている。
ある研究では、習慣が身につくのに「平均66日」かかるという。
2ヵ月以上かかるというと、大変に感じるかもしれない。
ところが、習慣は身につきにくいが、「続けてきたことはすぐに消えてしまうものではない」ので安心してほしい。
1日やり忘れても、いきなり身につけた習慣がなくなるわけではない。
しかし、気分的に1日やらなかっただけで、罪悪感で自分を責めてしまうかもしれない。
そんなときは「積み重ねてきたことはそう簡単に消えないから大丈夫」と自分に言い聞かせよう。
深刻になりすぎず、あくまでも楽しみながら習慣化していくことが、長く続ける秘訣なのだから。