シャープPhoto:Diamond

新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

総合電機3社が増収も
シャープは大赤字の苦境

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は2022年8~12月期の四半期(3社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ソニーグループ
 増収率:12.6%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入3兆4129億円)
・パナソニックホールディングス
 増収率:14.3%(四半期の売上高2兆1606億億円)
・シャープ
 増収率:4.9%(四半期の売上高7091億円)

 ソニーグループとパナソニックホールディングスは2桁増収だったが、シャープは4.9%と相対的に低い結果になった。実は、シャープは利益面でも営業利益が大幅な減益となっていて、さらには最終赤字に転落するという厳しい局面に陥っている。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、シャープの利益面での苦境や、円安の影響を受けて通期業績予想がどう変化したのかを見ていく。