半導体 最後の賭け#13Photo:Yuichiro Chino/gettyimages,simonbradfield/gettyimages

我が世の春を謳歌してきた半導体産業に陰りが見え始めている。2023年の半導体市況が4年ぶりのマイナス成長となることに加えて、米国による対中規制の強化が半導体製造装置・部材メーカーの業績悪化要因となりつつあるからだ。市場減速でも生き残る余力のある半導体・電子部品メーカーはどの企業なのか。特集『半導体 最後の賭け』の#13では、七つの独自指標を用いて「生き残り力ランキング142社」を作成し、お宝企業を発掘した。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)

4年ぶりの半導体「マイナス成長」
メモリー市況と対中規制強化が懸念材料

 我が世の春を謳歌してきた半導体産業に、暗雲が垂れ込めている。2023年の世界の半導体市場は4年ぶりのマイナス成長となる見通しなのだ。

 特に急速な市況悪化が懸念されているのが、メモリー市場だ。スマートフォンやパソコンなど民生品向けの半導体需要が大きく落ち込んでいる。実際に、メモリー業界をけん引する韓国2社の業績は急降下している。

 22年10~12月期決算では、サムスンの半導体事業の営業利益は前年同期比97%減の2700億ウォン(約280億円)へ急落。SKハイニックスも同期に10年ぶりとなる営業赤字に転落した。

 日本では大手と呼べる半導体メーカーこそ少ないものの、半導体製造装置や半導体部材に強みを持つ日本企業が多く、市況悪化の影響はボディーブローのように効いてくるだろう。

 もう一つ、日本の半導体関連産業が業績悪化要因として懸念しているのが、米国による対中輸出規制の強化だ。特に中国の売上高構成比が高い企業は要注意だ。

 市況悪化と米中対立に代表される地政学リスクへの対応、そして熾烈な顧客開拓競争を乗り切れるのはどのような企業なのか。

 ダイヤモンド編集部では、設備投資や研究開発投資を機動的に実行できる財務力とマネジメント力を備えた企業を将来性の高い企業として評価。半導体・電子部品142社を対象に「生き残り力」ランキングを作成した。

 ランキング作成に当たって、特に重要視したのは以下の三種類のデータだ。

●企業の基礎的なデータ:年平均売上高成長率、営業利益率

●事業の拡大意欲を表すデータ:設備投資額、売上高設備投資率

●将来へ投資意欲を表すデータ:研究開発費、売上高研究開発費率、フリーキャッシュフロー

 これら七つの指標を用いて、企業の実力値とポテンシャルを総合的に評価した。次ページでは、門外不出の半導体・部品「市場減速でも生き残る142社」ランキングを全公開する。