元公安捜査官が教える「人脈構築術」、諜報心理を使った“5ステップ”とは写真はイメージです Photo:PIXTA

公安捜査官と
スパイの共通点

「A社と取引をしたい。A社担当者と人脈を構築し、取引を成功させよ」

 もし職場において、このようなミッションを与えられたら、皆さんならどうするだろうか。

 こうした非常に難易度の高いミッションがうまくいくかどうかは、諜報(ちょうほう)心理を利用した人脈獲得法が大きく関わってくる。

 そこで、長く諜報活動の捜査や情報収集を行ってきた公安部外事課元捜査官であり、日本カウンターインテリジェンス協会代表理事である筆者が、スパイが使う諜報心理を利用し、相手方と関係性を深めていくテクニックを解説する。

 そもそも、スパイの職務をご存じだろうか。多くの方が私の前職である公安=スパイというイメージを持たれていると思う。そのイメージは大きくは間違っていない。

 スパイの定義は「政府等のために、秘密裏に敵や競争相手の情報を得る人のこと」であり、一方、公安捜査官(=公安)の定義は「暴力主義的な破壊活動または国益を侵害するような行為および諜報活動に関する情報収集や取り締まりを行う捜査官」と、筆者は説明している。

 つまり、スパイも公安捜査官も、情報収集をその主たる目的の一つとして日々活動している。