台湾の蔡英文総統Photo:Annabelle Chih/gettyimages

――筆者のクレイグ・シングルトン氏は、米国の元外交官で、ワシントンのシンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」の中国問題担当上級研究員

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 ケビン・マッカーシー米下院議長は台湾訪問を検討している。だが同氏は訪台するのではなく、台湾の蔡英文総統を来年初めの任期末に米国に招き、上下両院合同会議で演説してもらうべきだ。

 マッカーシー氏の前任者であるナンシー・ペロシ氏は昨年夏に台湾を訪問した。善意に基づく訪問だったが、遺憾な結果を招いた。中国政府はペロシ氏の訪台に乗じて台湾海峡の「新常態」を確立し、同国軍は現在、以前よりはるかに台湾に近い場所で定期的に演習を行っている。中国の戦闘機による台湾の防空識別圏への進入は、2021年の538回から2022年には1241回へと2倍以上に増加した。