オンラインでのやりとりが増えてきた今、手書き文字は「個性」や「人柄」に触れられる数少ないツールとして大きな武器となります。字に苦手意識はあるけれども、練習する時間もない、という方におすすめなのが新発想の美文字本『簡単ルールで 突然、美文字が書ける』。字が苦手な人を長年指導してきた著者・萩原季実子さんが「字がうまく書けない理由」を研究し、少し変えるだけで飛躍的に字がうまく見えるポイントだけをルール化した本で、練習なしでも、誰でも、自分史上最高の「美文字」が書けるようになると話題です。実は、本書のルールは子どもに字を教える時にも使えます!この連載では、本書より、美文字のコツを紹介いたします。

「字がきれいな子」になるために、親が最初にすべきことは?Photo: Adobe Stock

子どもに字を教える時に、一番大切なポイント!

お子さまの入園や入学の季節が近づいてきましたね。その前に、お子さまにきれいな字を書くコツを教えたいけれども、「自分が字を書くのが苦手だから、教え方がわからない」というお悩みもよく聞きます。

大切なポイントは「書くことは楽しい」と感じてもらうこと。

最初のステップでおすすめなのが、親子で一緒に「色鉛筆で塗り絵」です。いきなり文字ではなく、塗り絵であれば、親御さんもハードルが低くなるはず。

どんなイラストにするか、何色で塗るか、など一緒に考えながら、カラフルな色鉛筆にふれたり、線をなぞったりするのは、それだけで楽しい時間です。

塗り絵は、濃く塗りたい時は強い力にする、薄く塗りたい時は弱い力にするので、自然と文字を書く時に必要な筆圧コントロール(本書P148)の訓練にもなります。さらに、直線やカーブなど絵の輪郭をなぞることで、スムーズに鉛筆を動かせるようになります。

もちろん、きれいな字を書くには、正しい鉛筆の持ち方や姿勢、紙を置く位置などが大切です。まずは楽しく書くことを優先にしながら、やさしく丁寧に教えてあげてくださいね。

まずはほめることから!

なお、子どもは筆圧が弱い場合が多いので、字を書く時の鉛筆は、2Bがおすすめ。やわらかいので筆圧が弱くても書きやすく、濃くしっかりとした読みやすい字になります。

さらに、大人の関わり方がとても大切です。字を書き間違えたり、汚くても、すぐにダメ出しをしてはいけません。大人になっても「子どもの頃に字が汚いと怒られた」と覚えている方も多くいます。

まず、「がんばったね」とほめましょう。そして子ども自身に、「がんばったところ」や「難しかったところ」など、感想を聞いてみてください。がんばったところはしっかりほめつつ、難しかったところはどうしたら書きやすくなるかを一緒に考えてみましょう。

そして、最後は、書いた文字の上に、大きな花丸を書いてあげましょう。親からもらう花丸は子どもにとって嬉しいもの。達成感を感じ、もっと書きたいという意欲につながります。すると、「書くって楽しい!」という気持ちが自然に育ちます。

★本記事は、萩原季実子著「簡単ルールで突然、美文字が書ける」の一部を抜粋し、編集・構成しなおしています。