4月から植田・日銀新総裁が就任、政府・日銀の「アコード」は見直されるべきか衆議院の所信聴取に臨む植田和男日銀新総裁 Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

日銀総裁が4月に交代
浮上するアコード見直し論

 2013年3月から10年以上にわたって日銀総裁を務めた黒田東彦日銀総裁が退任し、4月から植田和男氏が新しい日銀総裁に就任する。そして、日銀総裁の新旧交代に合わせて、黒田現総裁の金融緩和の柱となった「政府・日本銀行の共同声明(以下、アコード)」を見直すべきではないかという意見が出ている。

 植田氏は、国会での所信聴取の場で、アコードの見直しについて「直ちに見直す必要があるとは今のところ考えていない」と述べている。

 植田氏は、現在日銀が行っている金融政策は適切であり、金融緩和を継続し、経済をしっかり支えることで企業が賃上げをできるような環境を整える必要があると述べている。2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを目指す植田氏が、アコードの見直しに前向きということはなかろう。

 金融政策の正常化を達成するために必要なことは、アコードの見直しではなく、物価安定目標を達成してアコードをきっちり終わらせることだ。