「夢の国」ともいわれる東京ディズニーリゾートは素晴らしくすてきだが、庶民にとってはちと高額になってきた。こんな時代だからこそ、低価格高コスパのローカル遊園地を強く推すのはどうだろうか。(フリーライター 武藤弘樹)
テーマパーク高額化時代
強まる、低価格高コスパ遊園地の意義
昨今の物価高がなかなかヘビーに家計を圧迫してくる。それとは関係なく、正確には物価高の流れが来る少し前から、東京ディズニーランドのような有名テーマパークは、「集客を増やす」ではなく「客単価を上げる」方向にシフトしている。コロナ禍のあおりをもろに受けてきた業種でもあるし、そもそも日本社会の少子高齢化もあるしで、その経営戦略は生き残りをかけた企業努力として支持されるべきものだ。
しかし、いち消費者としてはやはり、有名テーマパークは高過ぎると感じてしまう。もっとリーズナブルに遊びに行きたいのに、家族で一回日帰りで行けばかなりの金額が出ていくわけであるから、いくら俗世隔絶、夢の国であるからといって、どう考えてもちょっと尋常ではない。
単に価格帯が昔から変遷していっているだけで、新時代の有名テーマパークは「そういうもの」として存続していくのかもしれないが、「そういうもの」でなかった時代を知る世代には、やはり苦しい。筆者はディズニーのファン、ひいては一般名詞“テーマパーク”の存在を全肯定する者であるが、その金額設定を眺めていると暗いマグマのような感情がたまっていくのを自覚する。
そこで、低価格テーマパークである。テーマパーク高額化の波に逆らうというだけで社会的意義のあるそれらは、本業である“日々のテーマパーク運営”において、高いコスパで来園者を楽しませてくれる。
先日、都内のレトロな遊園地として有名な浅草花やしきに行き、これが大変良かった。今回は同じく都内にあるこぢんまりした遊園地「あらかわ遊園」に、めい(8歳)と娘(4歳)と一緒に行ってきたので、その時の様子をリポートしたい。