金融庁が明治安田生命保険に対して実施している立ち入り検査の一環で、明治安田の営業職員(生保レディー)3万6000人超を対象に始めたアンケートの全文を、ダイヤモンド編集部が10日までに独自入手した。アンケートの質問項目によれば、金融庁が生保レディーの「副業」を初めて問題視し、重点的に調査していることが分かった。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
明治安田への金融庁検査で判明
生保レディーの「副業」を問題視
金融庁は今月3日から、明治安田生命保険に対する立ち入り検査を実施している。その検査の一環として9日、明治安田の営業職員(生保レディー)が会社から支給されている営業用端末に「職員アンケート」を配信した。
質問は19問で構成され、全ての項目への回答を依頼している。不正行為の撲滅のために、生保レディーの“生の声”を収集・分析する目的とみられる。
そもそも今回の検査の狙いは大きく二つある。
一つは顧客の職場や自宅を訪問し、保険商品の提案や契約、保険金支払いの案内などを担う生保レディーの管理体制について、金銭詐取などの不正防止対策が適切に行われているかの確認。もう一つは、中小企業の経営者向けに、租税回避を目的とした“節税保険”が販売されていなかったかどうかの確認だ。
明治安田は2022年6月、元生保レディーが顧客から合計約2000万円の金銭を詐取していた事件が発覚している。また節税保険については、中堅外資系生保のマニュライフ生命保険とエヌエヌ生命保険で行政処分の原因となった販売手法が、明治安田でも同じように行われていたのではないかという疑惑があった。
そうした経緯から、金融庁は明治安田に対する検査の実施を決定。まずは職員アンケートで、実態を把握することから始めたというわけだ。
ダイヤモンド編集部は、アンケートの全文を入手。その中で金融庁は、生保レディーの「副業」について重点的に情報収集していることが分かった。次ページから、アンケートの内容を明らかにしていく。