若さを取り戻す「30秒呼吸法」

真理恵:「30秒呼吸法」肺活量を鍛える呼吸法ですが、血行が良くなり体が温まるので、とくに就寝前におこなうと気持ちよく入眠できます

 やり方はとてもカンタンです。基本は腹式呼吸です。

1,10秒息を吸う(お腹をふくらませる)
2,10秒息を止める
3,10秒息を吐く(お腹をぺたんこにする)

「10・10・10で30秒」を目安に横隔膜を上下させるイメージでおこなうと、胸郭周辺の筋肉を鍛えることができます

 ただし、人によって肺活量が少ない方もいらっしゃいますので、息を吸う・止める・吐く時間はあまり難しく考えないこと。途中で苦しく感じたら短くてもOKです。

 最初は4・4・4秒ずつからはじめて、慣れたら10・10・10秒に増やすのもいいですね。10・10・10秒ができたら、今度は10・20・20秒など。

 少しずつ負荷をかけていくと肺活量が鍛えられ、肺の筋トレになります。

――1セット何回くらい繰り返すとよいでしょうか?

真理恵:1回でも10回でも、「あ、肺をきちんと使えているな」「リラックスできたな」と思えたら、それが正解。心身ともに落ち着いてきたなと感じる回数でOKです。

裕:「30秒呼吸法」がラクにできるようになってきたら、すこし長めの息止めもできるようになってきますよ。強い肺になった証拠ということですね。ただし、この息止めもけっしてムリはせず、息を吐きたくなったらすぐ吐いてください。

真理恵:おもしろいのが「自力整体」を一通り終えた後にもう一度「30秒呼吸法」をやると呼吸しやすくなるんです。痛みやコリもラクになりますから、ぜひ習慣にしてみてください。

裕:最後に「30秒呼吸法」の真のねらいをお伝えしておきましょう。3つあります。

 1つ目のねらいは、先ほどお伝えしたように肺活量を鍛えることです。

「30秒呼吸法」を習慣にすれば、肺がおさまる胸郭周辺の筋肉が鍛えられて肺活量が増え、血行もよくなる。

 とくにご高齢の方や猫背の方は呼吸が浅く血行不良をおこしやすいので「30秒呼吸法」をしばらくおこなってみてください。

 2つ目のねらいは、体内水分量を増やすということです。

 体内の水分が枯れていくと肌細胞は弾力を失い、老けこんで見えますよね。私たちは水を飲む以外にも呼吸により空気中の水蒸気を体内に取り入れる能力を持っています。

 ですから、「30秒呼吸法」でより水分摂取量を増やすことができます。乾燥する季節は加湿器をつけながらおこなうといいですね。

 3つ目のねらいは、体幹を強化するということです。

「30秒呼吸法」は横隔膜を上下させておこなう腹式呼吸ですので、体幹の強化に役立ちます。体の中心軸を鍛えると人とぶつかっても倒れない、または転ばない体になりますし、猫背の解消にもつながります。

真理恵:ちなみに、猫背で浅い呼吸の方は、「30秒呼吸法」とセットで、次の「自力整体」の「脇のばしワーク」をおこなうといいですよ。

 胸郭や大腰筋をほぐして浅い呼吸を解消します。(*ワーク手順は画像参照/『すごい自力整体』より抜粋)

こんな人は老けこみやすい? 整体プロが教える「若返りの習慣」

【次回に続く】

『すごい自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています。(★一部動画でもご視聴いただけます)