飲酒は? 喫煙は? 肥満は? ストレスは?
本当に脳に悪いこと、いいことは何だろう?

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師は『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』で、現代人の願いである健康長寿を脳から実現するノウハウを提案する。認知症にならずに体も長持ちさせるためには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な生活習慣とは?

【認知症専門医が実感】糖質抜きの朝食が脳に与える影響とは?ある日の朝食メニュー

セルフ人体実験の経過報告

 私はこれまで、脳や体によいという実験結果が示された、さまざまな食事を試してきました。糖質をできるだけとらないようにすると、頭の回転も体の調子もすこぶるよくなることがわかりましたので、今でも糖質をほとんどとらない生活をしています。人生の早い段階で気づいて、長く糖質に頼らない食べ方をしている私の人体実験の結果をみなさんに報告するなら、この食べ方は絶対におすすめです。

 この効果を如実に感じるのは、仕事のパフォーマンスにおいてです。朝は目覚ましをセットしなくても起きたい時間に自然に目が覚めます。起きた途端から頭は冴え渡っているので、早朝に論文検索や執筆などの仕事を軽々こなせます。その後、糖質抜きの朝食をしっかりとります。

朝食メニューはたんぱく質と食物繊維を重視

 私の朝食メニューは毎日ほとんど同じです。野菜が多くて食物繊維がたっぷり含まれているせいか、夜の8時、9時までお腹がすきません。昼食に時間をとられることがなく、集中力が持続して仕事がはかどります。まあ夕方になるとそれなりに脳が疲れますが。

 それで夜に、チーズやナッツをつまみにお気に入りの白ワインを2杯くらい飲んで、1日が終了。日中に小腹がすいたとき用として、無糖のヨーグルトにナッツをトッピングして少量のはちみつをかけたものを冷蔵庫にストックしていますが、毎日必ず食べるというわけでもありません。

 この生活で、体重は30年以上変わっていません。血液検査は定期的にしていますが、コレステロールが日本の診断基準を少し超えるものの許容範囲に収まっていて、他はまったく異常なし。いいこと尽くしです。

本原稿は、白澤卓二著『長寿脳──120歳まで健康に生きる方法』からの抜粋です。この本では、科学的に脳を若返らせ、寿命を延ばすことを目指す方法を紹介しています。(次回へ続く)