ボストン・コンサルティング・グループやA.T.カーニー、ベイン・アンド・カンパニーで要職を歴任し、現在は立命館大学ビジネススクールで教鞭を執る山本真司氏。リーダーは意識的に「二重人格」であるべきと山本氏がいう真意とは? ※本記事は山本真司『忙しすぎるリーダーの9割が知らない チームを動かす すごい仕組み』(PHP研究所)から一部を抜粋・編集したものです。
メンバーの前に出た瞬間、「明るいリーダー」を演ずる
前回で紹介した施策により、かなりワイワイガヤガヤと騒がしいミーティングの場を作ることができるはずです。
大事なのは、明るく楽しいミーティングの場を演出することです。私もミーティングの場では、努めて明るく振る舞おうとしています。
そうでなくても、マネジャーは常に明るく振る舞うべきだと私は考えています。特に他者といる時は、なるべく明るく楽観的な表情をするようにしています。社内でチームメンバーと会ったらなるべく声をかけ、一緒に談笑する。とにかく明るく、しゃべりやすい雰囲気を作ろうとしているのです。
「自分はもともとネガティブなので、なかなか明るく振る舞うことができない」という人もいると思います。実は、私もそうです。もともと、それほど明るい性格ではない上に、常に不安にさいなまれています。
しかし、職場の事務所に入るまでは暗くて難しい顔をしていても、事務所に足を踏み入れた途端に、明るく振る舞うようにしていました。
ただ、それだけで良いのでしょうか? 明るく、楽観的なだけで、厳しい現実に立ち向かえるのでしょうか? リーダーが楽観的で緩い空気を作るだけで良いのでしょうか? それで、リスク管理はできるのでしょうか? いろいろな疑問の声が聞こえてくるようです。
その通りです。明るく、楽観的なだけではいけません。私は、リーダーは意識的に「二重人格」であるべきという強い信念を持っています。
より具体的には「人前では超楽観主義、人のいない時には超悲観主義」という使い分けです。