先週の総括

 先週の日経平均株価は、前半一進一退の動きであったが週末に急騰した。前週シティグループが1-3月期の決算発表を行ったが、事前予想を上回ったとして金融株中心に米国株式が上昇。これを受けて週初は1万3600円台で寄り付いたが、その後は買いが続かずもみ合いとなった。

 決算発表が本格的に始まっているが、相場全体にインパクトを与えるような決算もなく、売買代金は2兆円割れと引き続き低水準。週末は米国ナスダック市場が1月以来の高値となる2428ポイントを付け、それを好感し日経平均株も高値引けとなり、結局前週末比2.9%高い1万3863円で引けた。

 規模別には大型株が全体を牽引した。マザーズ指数は前週比ほぼ横バイであった。業種別には保険・海運・食料品が大きく上昇した一方、鉱業・証券・空運業が値下がりした。

今週の予報

電子部品業界:
北京五輪向特需不発で「曇」→「雨」

曇 雨

 今週の日経平均株価は高値波乱を予想する。3月17日安値1万1691円から2000円以上上昇し、先物ヘッジの買戻しも見られ始めた。市場参加者のリスク許容度が段々と平時に戻り始めており、弱気心理の反転から株価も堅調に推移している。一方で決算内容をみると減益決算も混ざっており、上値を追うことも難しいであろう。

 電子部品業界に停滞感が広がってきた。一部企業を除き2008年3月期は増収増益決算で着地する見込みだが、足元の受注に翳りが見え始めた。3月の受注は業界平均で前年同期比マイナスに転じたようだ。2007年3月を底として8月まで順調に前年同期プラス幅が拡大していたが、その後は減少に歯止めがかからない。

 最終ユーザーである携帯電話・PC・家電メーカーが生産を抑制しているためだ。最大消費国である米国の消費動向が減速しており、セットメーカーが慎重姿勢に転じている。円高の影響もあろう。

 今年は北京五輪の開催年である。昨年末の在庫水準は低かったため、春先へ向けて北京五輪用の薄型TVなど新製品向け注文の期待が大きかった。3月受注の失速は失望感のある内容だ。