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もし、今「自分には主体性がない」と感じているとしたら、それはあなただけではありません。どうして私たちの多くはそんな風に感じるのでしょうか? 本稿では、ライフコーチのボーク重子が「主体性」について紹介します。
「指示待ち体質」からの脱却
今回は、「言われたからやる」「言われたことをやる」という指示待ちではなく、「自らやりたいからやる」という主体性を育むためのスキルを実践していきます。
自分の意見を持たず、言われたことだけを文句を言わずに効率よくこなすうちに、私たちはすっかり「指示待ち体質」を身につけてしまいました。これでは、どんなときも自らの力で道を切り拓いていくことはできません。
でも私たちは、指示待ちになりたくてなったんじゃない。ただ、そんな環境で育つのが普通だっただけ。だから、大丈夫。一緒に、自らの意志で行動する「主体性」を身につけていきましょう。
POINT:「Must(やらないといけない)」「Should(やったほうがいい)」は最小にして、「Want(やりたい)」にリソースをシフトする
基本のリフレーム(『人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる大人の「非認知能力」を鍛える25の質問』P.173より転載) 拡大画像表示
「主体性」とは
「主体性」は、誰かに言われていなくても、何もすることがないときでも、自ら何かを見つけて行動し、そしてその行動に責任を持つこと。つまり、言われていないことを自分で考えて、やりたいからやることです。
キャリア構築においては、「近道はないか」「もっと違った生き方はないか」「こっちを試してみたい」「自分にもっと向いている仕事って何だろう」と自ら考えて行動することが多いと思います。
私たちは、そんな行動を通して「自分の人生を生きている」ということを感じるのではないでしょうか? それに、何といっても誰かの指示や命令で動くよりも、自分で考えて選んだことをする方が人生楽しいです。
主体性のある人の特徴
主体性のある人の特徴をまとめると、こんな感じになります。
・ 行動力がある
・ 好奇心が旺盛
・ 積極的
・ 思考力がある
・ 自分の意見を持っている
・ 何もないときでもやることを探す、見つける
・ 「やりなさい」と言われていないことでも、やりたいからやる
・ 自分で考えて選んだ、実行した行動の結果に責任を持てる
・ ミスや失敗が発生したときに、言い訳や罪悪感より真っ先に問題解決しようとする
また、自分の意見や、それを持つための思考力を持っていることも特徴として挙げられます。みなさんは、前回、自分の意見を持つこと、自分で決めることを身につけました。ですから、この「主体性」を身につける準備は十分にできています。
そして何より主体性のある人は、自分で考えて選んだ行動の結果に責任を持ちます。だからこそ、うまくいかないことがあったとき、責任転嫁や言い訳をするのではなく、「どうやったら解決できるか」を考えます。だってそれは、自分にとって本当に意味のあることなのですから。
こうして、うまくいかなくても自分を立て直して行動するので、やり抜く確率が上がります。
以上のことを一言でまとめると、主体性のある人は「好奇心旺盛で、自分でやることを見出し、その行動に責任を持つ人」といえるのではないでしょうか。そして、やり抜く力がある。
だからこそ、「主体性」はどんなときも道を切り拓く自分をつくるために欠かせない非認知能力なのです。
主体性を育むために必要な内的モチベーション
主体性を育むうえで必要になるのがモチベーション(なぜやるのかという理由)です。モチベーションには、外的と内的の2つがあります。
外的モチベーションとは、ご褒美・地位・評価・給与や叱責など、外から与えられることに起因するもの。内的モチベーションとは、「やりたい!」と自分の内側から湧き出るものです。
主体性を育むためには、外的と内的、どちらのモチベーションが有効なのか? これには有名なデシ博士の研究(ソマパズルの研究※)があります。
この研究からは、「内的動機づけ」という自分で自分をモチベートする力は、主体性を発揮するうえで欠かせないものだということがわかっています。
※「アンダーマイニング効果」を証明したソマパズルの研究
外的モチベーションは内的モチベーションを下げるということ(アンダーマイニング効果)を証明したエドワード・デシ博士の研究があります。大学生を2つのグループに分けます。1つのグループは、パズルを解いたら1ドルのご褒美があります。もう1つのグループは、解いてもご褒美はありません。
さあ、休憩時間にも自主的にパズルをやったのはどちらのグループでしょうか?
それは、報酬が0だったグループでした。面白さや楽しさが「解きたい」という内的動機づけになったからです。逆に、報酬があることで「報酬を得る」ことが動機となってしまい、本来のパズルを解く「楽しさ」という内的動機づけに悪影響を及ぼし、弱めてしまいました(アンダーマイニング効果)。
よって、デシ博士は「なぜやるのか」という動機が内的の場合、そのモチベーションは長続きし、主体性を発揮する場合には不可欠としています。
やりたいからやっている=楽しい=外的モチベーションは不要
デシ博士の研究結果は、ご褒美は自らやりたいと思ってやっている人のモチベーションを下げてしまうと証明しています。そもそも、やりたいと思ってやっている人に外的なご褒美はいらないのです。「やりたいからやっている」=「楽しい」という最高のご褒美があるのですから。
やっぱり自分で選んで、決断して行動する方が楽しいですよね。仕事でもお給料(報酬)のためだけに働くときって、時給が発生しない時間分なんて働きたくないし、自分の仕事じゃないことはやりたくないと思ってしまいます。
しかし、それが自分にとって本当に意味のある仕事の場合、時給がどうとか自分の仕事かどうかなんてことよりも、とにかく「やり遂げたい」という気持ちが強い。そんな経験はありませんか?
誰かに、「自分らしいキャリアをつくって偉いね」なんて褒めてもらうために自分らしいキャリアをつくるのではありません。自分がそうしたいから、自分にとって本当に意味があるからやるのです。
大切なのは、「自分はどうしたいのか」ということ。その行動に他人は往々にして褒めたり褒めなかったりのリアクションをしますが、あなたには他者のそんな評価をコントロールすることはできません。
ですが、自分の行動だけは100%自分で決めることができます。主体的な行動を取るか? 言われたことだけをやっていくか? あなたには選択肢があります。そして決めるのはあなたです。







