桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮されたロングセラー『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

女の子の学力の伸ばし方Photo: Adobe Stock

「エラーの原因」をゆっくり振り返らせる

 企業で働く東大出身者を見たときに、最近の傾向として、地方の公立校から東大に入ったタイプと、有名進学校から入ったタイプでは、後者のほうがビジネスパーソンとして強いといわれています。

 おそらく、地方で「神童」と呼ばれていた子は、進学校で競争してきた子より負けた経験、挫折経験が少ないためだと思われます。

 こうしたことは、女の子の世界でも、もちろん起きます。だから、折れないように気遣いながらも、トライ&エラーを経験させることは必須です。

 ただ、女の子は、エラーと向き合うことが苦手です。洞察力があるので、エラーの原因を自分で見つけることができるのですが、それを見たがりません。

 なまじ洞察力があるだけに、よく見えすぎて傷が深くなるからです。

 しかし、それを自分の間違いとしてしっかり直視することができれば、女の子は最強。

 なぜなら、男の子よりも深い分析ができるところへ持ってきてトライ&エラーを怖がらないのですから。

 そういう女の子は、自分でどんどんトライ&エラーを繰り返して成長し、相当な高みにのぼっていくことができます。

 女の子が、自分のエラーと向き合えるようになるには、その原因をゆっくり振り返り、納得することが欠かせません。

 だから、親や周囲の大人が、あれこれアドバイスしすぎてはいけません。

「あくまで模試の結果だから、あまり気にすることないよ。でも、算数はこのままじゃまずいよね。なにかやり方変えてみる?」

 この程度に留めましょう。そして、女の子が「じゃあ、こうしてみようかな」と提案してきたときには、「模試の算数が悪かったというエラーはあったけれど、それと向き合ったからこそ新しいやり方を見つけられたね」と、トライ&エラーの価値を説明してあげましょう。