桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮されたシリーズ累計3万部突破の『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

女の子の学力アップは「勉強に没頭できる環境づくり」で9割決まるPhoto: Adobe Stock

女の子はなぜ途中で失速してしまうのか?

 男の子と女の子では、勉強に対する取り組み方が根本的に違います。男の子は、その場のノリや自分の好き嫌いで動くため、まずは毎日の勉強をルーティーン化することから始めなければなりません。

 一方で、女の子はルーティーンをつくることはすでにできています。なので、その1つ上の「ルーティーンの質を上げる」ことを目指していきます。

 また、女の子は真面目ですから、普段から「量」はたくさんこなします。「量はやって当然」というのが、女の子の基本スタンスです。だから基礎力はついているケースが多いのですが、量ばかりやっていて、せっかくの基礎力を活かすことができない子もいます。

 やはり、量から質への転換が必要になります。具体的には、いかに集中して深い学びを得ていくかを考えます。

 女の子が真の集中に入れないとき、「周囲を気にする」という要素が強く影響しています。もともと調和を大事にする女性の特徴からか、子どもであっても「友だちはどこまでやっているか」「先生はどうすれば褒めてくれるか」など、悪い言い方をすれば、周囲の顔色を見ることを優先してしまうのです。

 周囲の子と比べて自分はどうかという「相対的勉強」をしていて、自分の学力だけに注目してそれを伸ばしていく「絶対的勉強」がなかなかできないのが女の子です。

 ここに、女の子ならではの伸び悩みポイントがあります。男の子より早いスタートが切れていて、差をつけて前を走っている女の子が、ほどほどのところで失速してしまうのは、絶対的勉強に没頭できないからです。

 もちろん、優秀な友だちに引っ張られて伸びていくというポジティブなパターンもありますが、「本当はもっと伸びるのに小さくまとまってしまう」というケースのほうが多いのです。

 女の子の場合、いかにそうしたリミッターを外してあげるかが重要になります。