石井亮次アナウンサーが大人気だ。この春から、長寿番組『世界ふしぎ発見!』(TBS系 土曜午後9時)の草野仁アナウンサーの後任司会者に大抜擢されたり、『ノックは無用!』『ノンストップゲーム』など伝説の番組も生み出した関テレ土曜昼枠の新番組『LIVEコネクト!』のレギュラー司会者に決まったり‥‥。地方ローカルだった『ゴゴスマ』(TBS系)を全国区の人気番組に躍進させたばかりか、全国からも依頼が殺到するのはなぜなのか?石井亮次アナウンサーが自らのコミュニケーション術や話し方を余すことなく書いた著書「ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方」から抜粋して紹介する。

感じの良い人が挨拶で心掛けていることPhoto: Adobe Stock

挨拶を「邪魔」と感じる人が増えている?

「情けは人の為ならず」ということわざがあります。ご存じの通り、「人に情けをかけることは、人のためではなく自分のためになる」という意味ですが、僕は挨拶も同じだと思っています。そう、挨拶も人のためにするのではなく、自分のためにするものだ、と割り切ったほうがいい。

 最近、こんな話を聞きました。

 友人の会社ではコロナ禍の中でテレワーク中心の働き方になったので、オフィスに出るか出ないかは自由。出入りする時間も人それぞれになったそうです。つまり、朝の決まった時間に一斉に出社して挨拶を交わし合うというこれまでの当たり前がなくなった。たまに出社した時も、先に来ている同僚に挨拶せずに無言で自分の机に向かうというんです。

 その理由を聞いてみたら、「仕事をしている人の邪魔になったら悪いから」「いちいち挨拶したら面倒だと思われそう」ということでした。なるほど、今の人はそういう気の遣い方をするんだなあと思う一方で、挨拶が「邪魔」とか「面倒」に思われるのはさすがに悲しい。なにしろ僕自身は、子どもの頃からずっと挨拶を大事にしているのですから。

挨拶で「空気」が変わる

 僕が挨拶を大事にしているのは、親や先輩たちからそう教わってきたということもありますが、それだけではなくて、実際に「挨拶すると気持ちよくなれる」という実感があるからです。

 たとえば、朝の出勤時に会社のエントランスでエレベーターを待つ間。その場にいる人が顔見知りじゃなくても、「おはようございます」と声をかけます。その瞬間、爽やかな風が吹きわたる……ような気がします(笑)。

 朝なら「おはようございます」、昼なら「こんにちは」でも「おつかれさま」でもなんでもいいんです。会釈してニコっとしながら挨拶するだけで、空気が変わります。
 無言のままでじっとしているよりも、自分の周りの空気は絶対プラスの方向に動くと思う。「明るい」とか「楽しい」とか、とにかくふわっとした「陽」のイメージをつくることができます。

 みんながうつむいていても、誰もこちらを見ていなくても、オフィスに入る時は挨拶したほうが、結局は自分自身がスッキリできるんじゃないかと思います。自分のために挨拶する。
 挨拶は人のためならず、です。

 *本記事は、「ゴゴスマ石井の なぜか得する話し方」から抜粋・編集したものです。