WBCで“村神様”を「クソミソ批判から手のひら返し」した人たちの末路Photo:Alex Trautwig/gettyimages

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、さまざまな選手が話題になったが、もっとも評価の振れ幅が激しかったのが、村上宗隆選手ではないだろうか。準決勝でサヨナラ逆転打を放つとSNSでは「村神様」「村上最高」がトレンド入りしたが、それまでは不調が続いていた。(フリーライター 武藤弘樹)

湧いた日本列島
村上選手が放ったサヨナラ逆転打

 WBC第5回大会は、侍ジャパンが優勝を勝ち取るという、日本国民にとっては最高の形で幕を下ろした。日本代表のWBC制覇はこれで3度目となる。

 優勝が決定した瞬間以外で盛り上がったピークを挙げるとするなら、おそらく多くの人が「準決勝メキシコ戦、村上選手のサヨナラ逆転打」を思い浮かべるに違いない。大会中不調に苦しんだ村上選手の、自身の全存在を証明するかのような痛烈な一撃に、日本全土が歓喜した。スポーツはこれがあるからたまらない。

 ちなみに、筆者はリアルタイムで野球中継を見ておらず、事後他の人たちが大変興奮して喜び話し合っているのを見て、何が起きたかを知ったのであった。

 当時の国内Twitterでは村上選手に関連するハッシュタグがいくつか生まれ、トレンド入りもしていた。不調をたたかれたり、心配されていたりした村上選手が結果を出した瞬間に、一気に称賛の声であふれるという、俗に言う「手のひら返し」が観測された。そこで今回、筆者が気の赴くままに「手のひら返し」について簡単に研究してみると面白い気付きがあったので、それをシェアしたい。

  また、決定的瞬間をリアルタイムで見逃した筆者と同様の哀愁を胸に秘める同志に向けて、「我々がいかに不運でみじめでかわいそうか」ということについても言及するつもりである。傷をいくらかなめあえれば幸いである。