いつもの冷蔵庫の食材が簡単! 贅沢レシピに大変身! もう献立に迷わない!
NHK「きょうの料理 タサン志麻の小さな台所」で話題の「伝説の家政婦」志麻さん。記念すべき処女作『志麻さんのプレミアムな作りおき』が驚異のロングセラーに。
さらに、初の“エッセイ風レシピ本”『厨房から台所へ――志麻さんの思い出レシピ31』の勢いも止まらない。新聞書評で「20代の志麻さんは、傷だらけになっても走ろうとしていた。切なすぎて胸が痛い」「食べたものは体になり、心になり、人生をつくる」と東大教授に絶賛された。
冷蔵庫にあるふつうの食材が、なぜ、ワンランク上の「簡単! 贅沢レシピ」に変身するのか? 今回は、大人も子どもも大好きな「じゃがいものピュレの肉巻き」を志麻さんに紹介してもらおう。(撮影・三木麻奈)。――(こちらは2019年7月19日付け記事を再掲載したものです)
フランス人から学んだこと
レストランの料理ではなく、家庭料理をつくりたかった私は、家政婦という仕事に巡り合えて本当によかったと思っています。
家族や友人と気兼ねなく食べる楽しさは、レストランとはまた一味違うおいしさをもたらしてくれるものです。
フランス料理を通じてフランス人から教わったことは、料理の技術だけではなく、食事を楽しむことや、つくることを楽しむということでした。
調理師時代、がむしゃらに働いていた私は、家庭を持ったり子育てをするなんて想像すらできませんでした。
お客様から学んだこと
家政婦の仕事でうかがうお宅は、ほとんどが共働きでお子様がいらっしゃいます。
実際にお客様の多くは保育園に子どもを預け、夕方ぎりぎりまで仕事をして、食事の準備をする時間がなかなか取れない方がとても多いです。
私も自分自身に子どもができ、仕事と子育てを両立していくことがどんなに大変か身をもって知ることができました。
お客様からはいろんなリクエストを受けますが、離乳食やお子様の他の料理を頼まれることもよくあります。
離乳食に対しての考え方は家庭によって様々なので、どんな風につくったらいいかは、お客様の要望をよく聞いてからつくるようにしています。
お子様によって好き嫌いやかたさの好み、味付けの濃さなど、いろいろな場合があるからですが、私が気をつけているのは、なるべく大人も同じものを食べれるようにするということです。
離乳食にもなる、じゃがいものピュレ
大人も大好き「じゃがいもピュレの肉巻き」
フランスの離乳食は、おかゆではなく野菜や果物のピュレですが、野菜のピュレは塩分が薄くてもおいしく食べられるものが多く、子どもは離乳食として、大人は肉や魚のつけ合わせとして同じものを食べることができます。
同じテーブルにつき、同じものを「おいしいね」と言って食べることは子どもにとってとてもいいことだと思います。
フランス料理には、このピュレに合わせる料理はたくさんありますが、もちろん和風の味付けだって合うものはたくさんあります。
この本でご紹介した「じゃがいものピュレの肉巻き」も、ピュレはお子様の離乳食にもなりますし、肉巻きは大人のおかずになります。
野菜の冷凍もできますし、スープのベースやパンケーキやクッキーに入れたり、マヨネーズを足してやわらかいポテトサラダ風にしてもいいかもしれません。詳細レシピは本書にありますのでぜひつくってみてください。