日銀総裁の交代でマンション市場どうなる?「後悔しない物件」の買い方とはPhoto:PIXTA

日銀総裁の交代後も
大幅な利上げは考えにくい

 日銀の黒田東彦総裁が4月8日に任期満了を迎える。その後任に、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏の起用が決まった。10年ぶりの総裁交代とあって、新総裁となる植田氏がどのような金融政策を行うのか、その行方に注目が集まっている。

 黒田氏が総裁に就任した2013年、日本経済は長きにわたる低迷から脱却できないでいた。経済を活性化させるための「デフレ解消」をめざした黒田氏は、「異次元緩和」と称される大胆な金融緩和政策に着手した。異次元緩和を受け、一時的に円安・株高が進んだことについては黒田氏の「功」と見なす向きもある。一方で、長期金利を抑えるための国債の大量購入、YCC(長短金利操作/イールドカーブ・コントロール)政策などを続けてきたことによる弊害も指摘されている。

 日本が金融緩和政策を続ける中、世界では深刻なインフレが加速していく。アメリカでは22年、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを決定、高止まりする物価を抑えるための金融引き締めへと踏み切った。その結果、アメリカでは住宅ローン金利が20年ぶりに7%超えを記録する事態となった。同様に英国中央銀行(BOE)と欧州中央銀行(ECB)もインフレを警戒、利上げを決定するに至る。

 23年に入り、インフレがピークアウトしたとされるアメリカでは、利上げ幅縮小の動きが見られる一方、BOEとECBでは2月にも大幅利上げを実行している。依然としてインフレへの警戒感は強いままだ。