不安や悩みをノートに書き出して、鬱々とした気持ちや頭の混乱をスッキリ整理する――。こうした手法はこれまでジャーナリング、モーニングページ、バレットジャーナル、ブレインダンプ……などとして数多く紹介されてきました。
でも、正しいやり方がわからない、書く時間が取れない、続かないといった声もよく耳にします。そこで、『書く瞑想――1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』の著者で、5万人以上を変えた習慣化のプロ・古川武士氏が、読者から寄せられた悩みや疑問にお答えしながら、「書く瞑想」のコツについてご紹介していきます。
迷ってばかりで決められません。
ブレない自分軸はどうすれば見つかりますか?
[質問]
仕事にしてもプライベートにしても、優柔不断で、自分はどうしたいのか、いつも迷ってばかりで決められません。どうすれば早く、後悔しない決断ができるようになりますか?
頭の中は思考と感情がごちゃごちゃ
[回答]
書くことで、自分の軸が見つかります。
私たちの頭の中には、不安や迷い、葛藤が渦巻いています。前に進みたい気持ちと、現状維持でいいのではないかという思惑が錯綜して、ごちゃごちゃと未整理の思考や感情が浮動、浮遊するものです。
書き出すと、不思議なほど印象が変わる
書き出すことで、感情や思考を客観視することができます。これを「メタ認知」といいます。
メタ認知をして、頭と心の状態に距離を置き客観視すると、自分がどうすればいいかが見えてきます。
日々家計簿をつけて、それを月次で分析すると、消費パターンが見えて節約、貯金の突破口が見えるようなものです。
整理されていなくても、まず書き始めてみる
この能力は誰にでも備わっているのですが、書くことで発揮される能力です。特に、拙著『書く瞑想』で紹介した、
・「放電ログ」(マイナス感情を箇条書きにして網羅的に書き出す)
・「セルフトーク」(自己対話を通して思い浮かんだ言葉をそのまま書き出す)
を深く書き出すことで、ご自身の迷いや葛藤、不安の根源がわかり、どうすればいいか判断がつきやすくなります。
自分の思考パターンが見えてくる
さらに状況の判断だけではなく、自分軸を明確にしたいということであれば、それまでに書き出した「放電ログ」「セルフトーク」を月に1回振り返ってみましょう。
書き出したものをまとめて見返すと、繰り返し出てくる言葉やテーマがあるはずです。何に悩み、何をしたいのか、自分の共通項(パターン)が見えてきます。ここから自分軸、判断基準を見つけることができます。
自分を深く知れば、後悔しない判断軸ができる
多くの人は、自分の頭で考えていることくらいわかっていると思いがちですが、実際には感情は重層的で複雑に絡み合っているものです。それを頭の中で整理するのは大変ですが、日々浮動する感情や考えを思いつくまま書き出すと、ごちゃごちゃの状態を整理することができます。
また、書き出したものを定期的に振り返るだけで、自分が深く求めていることを認識できます。自分にとって大切なことや不要なことを明確にすることもできます。
大切なことや不要なことは、人それぞれ求めていることによって違いますが、書き出した自分の共通項(パターン)から自分軸を見出せれば、後悔しない判断ができるようになります。