5、6年前から、企業の内定辞退の理由に「親の反対」をあげるケースも増えています。有名企業がいい会社だと思い込んでいる親は、有名ではない会社を子どもが就職先として選ぶと、「聞いたこともない会社ね」「そんな会社で大丈夫なの?」と、つい言ってしまいます。

 すると本人は、自分を否定されたと感じます。親に認めてもらえないなら就職しても仕方がない、と後ろ向きになって働く意欲すらなくす人もいます。

 もちろん、親は子どもの幸せを願うからこそ、有名企業で働くことを望むのでしょうが、認知度に関係なく、優良な企業はたくさんあります。時代も価値観も、親世代とは異なるのです。

 心配であれば「どんな会社なの?」「どんな仕事をするの?」と率直に聞いてみて。子どもがその会社を選んだ理由を聞いて、(ブラック企業や法に触れる悪徳ビジネスでない限り)応援しましょう。けっして否定せず、興味を持って接してください。

 働いて生計を立てていく厳しさを伝えたり、転職や副業の選択肢を話し合ったり、情報共有やアドバイスをするのは問題ありません。いくら親でも、子どもの人生を邪魔する権限はありません。子どもの人生の決定権は本人に委ねて、困ったときにサポートすればいいのです。