読書習慣は子供にとって、一生モノの財産になる――。子どもが「本好き」になるために親は何をすべきなのか。筑波大学付属小学校の現役国語教師・白坂洋一氏に、学力との関係性を含む「読書のメリット」や、【低学年】【中学年】【高学年】ごとに親ができること、学齢ごとにぜひ読んでほしい絵本や児童書のリストまでを伺った。(ライター 原 由希奈)
きっかけ次第で全ての子どもは
「本好き」になる
「子どもにもっと本を読んでほしい」
保護者の多くがそう願っている。しかしSNSやYouTube・オンラインゲームが発達し、なおかつ多忙を極める子どもたちの興味を「本」に向かせるのは、簡単なことではない。
筑波大学附属小学校の現役国語科教諭・白坂洋一氏は、保護者のつくる「環境」によって、子どもと本を“出合わせる”ことは可能だと話す。
白坂氏いわく、「本の魅力を知った子どもは一生本を手放さない」。現に、2019年の全国大学生協連の調査で、大学生の48%が「1日の読書時間がゼロ」と回答しているが、小学校前から高校までに読書時間が長かった人は、現在においても読書をする傾向がみられたという。
白坂氏はこれまで20年以上、国語科の教諭として子どもたちを見守ってきた(他校含め)。「子どもたちが今なんの本を読んでいるか、常に気にかけている」という白坂氏は、これまでに、本を読まなかった子がみるみる本好きに変わった例も目にしてきた。
そのカギはやはり、「置かれた環境」と「保護者のサポート」。その実例と、「子どもが本好きになるために保護者ができること」を白坂氏に伺った。
次ページでは、読書のメリットと共に、学齢別に親が取り組める具体的なアクションを解説。
白坂氏が実際に受け持った小学生の実例をベースに、本の選び方、子どもの興味の引き出し方、
学齢別に読んでほしい「絵本・児童書の厳選リスト」まで、実践的なアドバイスを大公開。
わが子の読書習慣を「一生モノの財産」にする方法をお届けする。