「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」で総合グランプリとビジネス実務部門賞をダブル受賞した『佐久間宣行のずるい仕事術』。人気プロデューサー・佐久間宣行さんが20年以上かけて磨いてきた「誰とも戦わずに、好きなことで、効率的に成果を出す方法」を伝授する本書に、絶賛の声が多く寄せられた。
そこで、受賞を記念して、その悩み「佐久間さんに聞いてみよう」をテーマに、仕事にまつわる悩み・質問を大募集。本連載では、職場の人間関係やメンタルの改善、就職・転職活動に今すぐ役立つ、佐久間さんの回答を公開します。(構成/根本隼)

扱いづらい「年上部下」に絶対やってはいけないこと・ワースト1

Q. 年上部下がやっかいで閉口しています

質問者:40代女性
――年上の部下たちとの付き合い方が難しく、閉口しています。基本的に他人のアドバイスを受け入れず、仕事上で改善すべき点を変えようとしません。

 不快にさせないように気を配りつつ、年上部下たちとの業務をスムーズに進めるためのアドバイスはありますか。

年上部下に「ダメ出しファースト」は絶対NG

佐久間さんからの回答↓
 これは本当に難しい問題ですね。個人的には、年上だけど部下になった人に対しては、その方の強みや評価されている部分を、早めに伝えることが大事だと思っています。

 こういう人たちは得てして、「自分はやっかいだと思われてるんじゃないか」という被害妄想を持っていることが多くあります。

 そうした状況で一番やってはいけないのは、その被害妄想をあおるような言動をすること。たとえば、年上の部下と話すときに、仕事の改善点などマイナス面ばかりを先に伝えると、だいたいうまくいきません。「やっぱり疎ましく思われてるんだ」と疑心の念をより深めてしまうからです。

 年上の部下とうまく付き合っていくには、その被害妄想をまずは取り去ることが重要。そのためには「あなたのこの力を借りたい」という期待感や信頼感は、相手がじかに感じられるくらい少し過剰に伝えていいと思います。

 そのときの言い方は難しいですけど、僕だったら「自分にはできない仕事なので、よろしくお願いします」と相手の自尊心が高まるような声がけを意識します。

 こうやって評価している部分を積極的に伝えていると、副次的な効果として、なぜか自然と「評価されていない部分」を自覚してくれるようにもなる、ということがあります。

 彼らが気持ちよく働けて、なおかつ不快感を与えることなく改善点を伝えられれば一石二鳥ですよね。

(本稿は、ダイヤモンド社の公式Twitterアカウントで募集した「あなたのその悩み、 佐久間さんに相談してみませんか?」キャンペーンに寄せられたお悩みをもとにした『佐久間宣行のずるい仕事術』グランプリ受賞記念連載です)