株式投資をする人たちの間で大きな支持を集めている話題の1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズを答えていくだけで、「株式投資のコツ」や「株の売買タイミング」がつかめる手軽さが人気だ。「チャートを勉強したけど成果が出ない……」。その原因はどこにあるのか。『株トレ』の著者であり、ファンドマネジャーとして2000億円超もの資金を運用してきた経歴を持つ楽天証券・窪田真之氏に話を聞いた。さらに本稿後半では、特別に『株トレ』から一部を抜粋して紹介する。

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たいていのチャートは「買い」とも「売り」とも言えない

――窪田さんが、チャートを見るときに重要視していることは何ですか?

窪田真之氏(以下、窪田):『株トレ』は、7割の確率で当たるチャートのシグナルを活用して「トレードで勝つ技術」を身につける本です。「売買高」「ローソク足」「移動平均線」「ボリンジャーバンド」を使って、「売買のシグナル」を見極める方法を紹介しています。

 特に重要なことは、売買高とローソク足の急激な変化です。例えば、売買高の増加とともに株価が急騰すれば、今多くの人が株を買いにいっていることがわかるので、買いシグナルとなります。

 ただし、実際に株のトレードをする際には、注意してほしいことがあります。

 それは、そもそもほとんどの銘柄にはシグナルが出ていないということです。たいていの銘柄は、上がるか下がるか判断できないのです。

「何冊も本を読んで一所懸命チャートを勉強しました」という人にかぎって、シグナルが出ていないチャートに対してでも、株価の方向性を決めつけようとします。せっかく勉強したんだからということで、MACDやRSIなど、ありとあらゆる指標を持ち出して、無理やり買いか売りか判断を下そうとします。

 そんなことをするよりも、たくさんのチャートを短時間でパッと見ていった方が、強いシグナルが出ているチャートに出会える確率が上がり、勝率の高いトレードをできようになるでしょう。

チャートを見る際の1つのコツ

――窪田さんの「チャートを見る時のコツ」を教えてください。

窪田:私はファンドマネジャー時代、毎週末に東証一部(現在のプライム市場)全銘柄のチャートを見ていました。

 大量の銘柄を見るので、1銘柄に数秒しかかけず、サッサと投資判断を下します。「○(買い)」「△(中立)」「×(売り)」の3段階評価です。会社名や世間の評判、業績はいっさい考慮に入れず、株価と売買高だけで判断します。

 もちろん、日経平均に強いシグナルが出ていれば、多くの個別銘柄にも強いシグナルが出て、一斉に買い、一斉に売りという局面も訪れますが、普段の大きく動かない相場であれば、8割の銘柄は「△」の判断しかできません。

 株式投資は、買うか売るかの二択ではありません。現実のトレードでは、ほとんどが様子見。それでも、株価が動き始めたタイミングですぐに売買できるように、チャートを観察し続けることが大事です。たくさんのチャートを見続けていれば、「絶好のトレードチャンスだ」と言える強いシグナルに出会うことができるでしょう。

株式投資のクイズにチャレンジ

 10ヵ月前に暴落し、ボックス相場が続いているL社のチャートを見て、あなたは「買い」「売り」「様子見」どの投資判断をしますか?

クイズの正解は……

 L社は、買いです。

 売買高が急増。長い下ヒゲのついた大陽線をたて、上値抵抗線を超えたので、ここから上昇加速が期待できます。

 実際、株価はそこから、以下のチャートの通り、急騰しました。

L社のその後の株価チャートL社のその後の株価チャート

(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)