週刊誌に不倫疑惑を報じられた、タレントの篠田麻里子さん。泥沼離婚劇に突入するかと思いきや、「この度の件について、麻里子の言葉を信じることにしました」という夫のコメントとともに、スピーディーに離婚が成立しました。ある条件を満たす夫婦は、こうしたスピード円満離婚をしやすい傾向があるといいます。3万8000件以上の夫婦相談を解決に導いてきた著者が解説します。(夫婦問題専門家 岡野あつこ)

裁判をすることなく、スピーディに離婚が成立

2021年に「第13回ベストマザー賞」芸能部門を受賞した篠田麻里子さん2021年に「第13回ベストマザー賞」芸能部門を受賞した篠田麻里子さん Photo:JIJI

 先日、元AKB48のタレント、篠田麻里子さん(37歳)が自身のInstagramで離婚が成立したことを報告しました。騒動の発端は、昨年報道された篠田さんの不倫疑惑。「妻は浮気をしているに違いない」と思っていた実業家の夫に対し、妻の篠田さんはそれを完全否定。離婚調停をおこなっていたものの、不倫や慰謝料を争点とした裁判を迎えることなく和解し、婚姻関係は解消されたようです。

 パートナーの不倫疑惑がもとで離婚騒動になったのにもかかわらず、裁判に至ることもなく、さほど泥沼化することもなく、スムーズに離婚が成立したことに対し、「なぜ?」と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。

 実は、これは一般的にも時々あるケースです。理由はどうあれ、いわゆる「スピード円満離婚」で決着がつく場合、その理由は「子どもへの影響を想定して」「自分たちのイメージダウンの回避や世間体を考慮したから」であることが多いのです。

 たとえば前者の理由の場合、離婚に関する調停や裁判が長引くにつれ、両親が争っている環境で生活しなければならない子どもへの精神的ダメージは少なくありません。周りがそれを知るところとなった際にも、「ご両親があんなもめ方をするなんて、かわいそうに」などと気の毒がられ、同情されることが、余計に子どもの傷を深くすることもあります。そうした子どもへのダメージをより小さく収めるために、できるだけ時間をかけずに離婚を決める夫婦もいるのです。

 では、後者の「自分たちのイメージダウンの回避や世間体を考慮したから」という理由でスピード円満離婚を決める場合、どのようなケースがあるのでしょうか。