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【精神科医が教える】他人に振り回される人の根本原因&対応策・ベスト1Photo: Adobe Stock

“ポジティブ不機嫌”の活用法

なんとなく他人のペースに巻き込まれて、調子が狂うことってありませんか? たとえば、マイペースな同僚の言動や振る舞いに、お人好しにも同調してしまい、いつの間にかこちらの調子が狂ってしまう。これはつまり、他人に振り回されている状態です。

あまりにもアナタがお人好しなのかもしれません。他人の顔色をうかがってしまうから、相手のペースに巻き込まれて調子を崩してしまう。だったら、そういう相手には、いっそのこと不機嫌に振る舞ってもいいと思うんです。

“面倒な人”への抑止力

自分より他人を優先する――これが他人に振り回されている人の根本原因なんです。その人に対して好意的に思っていなくても、その気持ちを隠して、大人の態度をもって紳士・淑女的に対応してしまう。

すると相手は図に乗って、こちらを振り回してくるので、自分は疲れてしまう。そういう状態に陥らないように、ちょっとは不機嫌になるほうがいいんです。それが抑止力、つまり相手に有害な行動を思いとどまらせることにつながります。

嫌な思いを伝えてあげる

不機嫌になるといっても、相手に感情をぶつけるわけではありません。心のなかで嫌悪感を抱いたり、違和感が生じたりすることがあれば、「私はこういうのは嫌ですよ」ということをちゃんと言うとか、少なくとも態度を示すことをためらわない。

単に無言になるだけでも、効果があると思うんです。相手から嫌な思いをさせられているのに、大人の態度で優しく接してあげるのも悪いことではありませんが、また次に同じ思いをするハメになりがちです。そもそも、アナタが他人の機嫌を優先する必要はないのです。

他人を操る人への防御策

相手から理不尽な仕打ちを受けたのであれば、ムッとしていいんです。自分が不機嫌だということは、ちゃんと表現しましょう。不機嫌なって、アナタが誰かを振り回してはいけませんが、「私はいま嫌な思いをしている」ということを示すことは、自分に対する相手の態度を改めさせるきっかけにもなります。

世の中には、意図的だろうが意図的じゃなかろうが、自分が不機嫌なことをみせて、他人を操ってしまう人がいます。年齢を重ねて、そうした態度が染みついてしまっている人がいるのです。

そういう人が身近にいて、まともに付き合っていると振り回されてしまい、生きづらくなるので、自分が不機嫌に思ってることをちゃんと表現することが“悪ではない”ことを知っておいてください。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。