「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれないのです。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。
コレステロールを調べるため
自分の体で“人体実験”してみた
【前回】からの続き 卵とコレステロールに関して、私には次のような父の思い出があります。
父は医者になりたての頃、卵を食べると本当に血中のコレステロール値が高くなるのか、自分の身体で実験することにしました。
そこで、ゆで卵を1日に18個食べてみたそうなのです。
ゆで卵を1日に
18個食べてみた結果
いまから100年ほど前の話ですが、1日に卵を18個も食べるなんて、すいぶん荒っぽい実験です。
どのくらいの日数食べ続けたのか、詳しい話は聞きそびれました。おそらく1週間くらいは、続けたのではないでしょうか。
結果的に、血中のコレステロール値は、上がらなかったそうです。
卵のコレステロールは
過度に気にしなくていい
父が身をもって明らかにしたように、健常者が卵を毎食1個ずつ食べるくらいなら、血中のコレステロール値を気にしなくても大丈夫なのです。
健康診断で「脂質異常症」が疑われる人は、卵の摂取については主治医に相談してください。
また、「家族性高コレステロール血症」という遺伝性の難病では、例外的にコレステロールを含む食品の厳格な制限が求められるのでご注意ください。【次回に続く】
※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。