TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授! ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【糖質制限のプロが教える】体脂肪が燃えやすい体質になるワケPhoto: Adobe Stock

「ケトン体が危ない」なんて大ウソ

【前回】からの続き このようにケトン体は、人体に安全なエネルギー源ですが、医師にも「ケトン体は危ない」という誤った認識をいまだに持ち続けている人が少なくありません。

ケトン体を危険視する最大の根拠となっているのは「血中のケトン体が高値になると、糖尿病性ケトアシドーシス(酸性血症)を引き起こす恐れがある」というもの。

糖質制限での心配を解消する

ケトン体は酸性の物質なので、血中で増えると血液が酸性に傾くことは事実です。

たしかに体内でインスリンを作れず血糖値をコントロールできない1型糖尿病の患者さんが、急にインスリン注射を中止したときなどに糖尿病性ケトアシドーシスを起こすことが稀にあります。

しかし、一般の健常人はもちろん、生活習慣に起因する2型糖尿病の患者さんがインスリン機能が保たれているときに糖質制限をして、ケトン体が高値となっても糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こす心配はありません

体内環境を保とうとする働き

糖尿病性ケトアシドーシスは、“インスリン作用の欠乏”が前提となるからです。

そうでなければ、糖質制限をして酸性のケトン体が増えても、体内環境を一定範囲内に保とうとする働きにより、速やかに正常なpH(ペーハー)に戻るのです。

体脂肪が燃えやすい体質になる

ケトン体が増えたとしても、それは健全な「生理的ケトーシス」というものなので、心配することはありません。

ケトーシスとは「エネルギーとして脂質を使いやすい状態」のこと。言い換えれば、「体脂肪が燃えやすい体内環境」ということでもあるのです。

胎児のエネルギー源でもある

新生児や母乳育児中の乳児は、成人と比べてケトン体が数倍高値ですが、この事実だけみても、ケトン体が安全なエネルギー源であることがわかります。

新生児のケトン体が高値なのは、妊娠中に「胎盤(たいばん)」でケトン体を作って、胎児にエネルギーを供給しているからです。

乳児の肝臓で作り出されるという安全性

胎盤のケトン体値は、成人基準値の20~30倍です。母乳育児中の乳児のケトン体も高値なのは、母乳の脂質の割合がカロリー比でおよそ半分と「高脂肪」だからです。

母乳という高脂肪食から、乳児の肝臓でケトン体が作り出されているのです。

※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。