TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授! ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
糖質制限をすると
甘酸っぱい臭いがする?
【前回】からの続き 糖質制限をすると、私たちの体は脂肪酸、ケトン体を積極的に利用する体質に変わります。つまり、内臓脂肪を始めとする体脂肪を積極的に利用するようになるので、内臓脂肪がストンと落ちるのです。
ちょっと驚くかもしれませんが、糖質制限を始めると血液中のケトン体濃度が高まるため、体から“甘酸っぱい臭い”が発生することが時にあります。これはケトン臭と呼ばれています。
3~6か月ほどで
ケトン臭はなくなる
その正体は、ケトン体の一種であるアセトンというものです。アセトンは尿や呼気から排泄されますが、独特の甘酸っぱい臭気があるため、ケトン臭として感じられるのです(糖質制限を始めてもケトン臭がまったくない人もいます)。
糖質制限のデメリットといえば、これくらいのものですが、これも糖質制限を始めて3~6か月ほど経てば、アセトンが尿や呼気から排泄されなくなるので、ケトン臭がなくなります。
20代の頃の体重をキープできるワケ
ケトン臭を感じなくなったら、ケトン体をエネルギー源として本格的に利用できる体質に変わった証拠です。
体脂肪をエネルギー源として使いやすい体ができあがったということですから、よりスリムな体型を維持しやすくなるのです。
私が20代の頃と同じ体重をずっとキープできているのは、このためです。
ケトン体をエネルギー源にする体質
私の尿中のケトン体は基準値内です。17年続けている糖質制限によって、ケトン体をエネルギー源として利用する体質ができあがっているため、尿中に排泄されなくなっているのです。
さらに詳しく説明すると、ケトン体の一種であるβ‐ヒドロキシ酪酸の私の血液中の濃度は、一般の基準値(85μmol/l以下)と比べるとかなり高値で、10倍以上のことも多いです。
農耕を始める以前、全人類が糖質制限をしている状態だった頃は、私のような血中ケトン体値が標準的だったと考えられます。
内臓脂肪が減り
健康度も高まる
そもそも、このβ‐ヒドロキシ酪酸は高値でもまったく問題ありません。むしろ、高値のほうが健康度は高まるのです。
なぜなら、β‐ヒドロキシ酪酸はエネルギー源になりますし、有害な活性酸素による体の酸化を防いだり、動脈硬化やアルツハイマー病の背景にあって炎症に関わるインフラマソームというたんぱく質の複合体を阻害する働きがあるからです。
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。