リーダーになると、やるべき仕事や責任が格段に増える。メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理など、プレーヤー時代とは異なるタスクが数々あるため、はじめは「何から手をつければいいのだろう…」と戸惑ってしまうだろう。
そんな悩めるリーダーたちが「もっと早くこの本に出合いたかった」「刺さりまくった」とこぞって絶賛しているのが、株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』だ。シリーズ累計75万部を突破している本書は、2021年、2022年と2年連続で「1番売れたリーダーシップ本」に輝いており、多くの人から「この本は、間違いない」と圧倒的な支持を集めている。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、「部下が成長しない」と嘆く上司の“ざんねんすぎる勘違い”をご紹介する。(構成/根本隼)
部下の「危機感」を促すのがリーダーの役割
リーダーは、チーム内で健全な競争が起こりはじめたら、管理することがメインの業務になっていきます。
たとえば、6人部下がいるとしましょう。そのうち4人が目標を達成して、2人は未達でした。
その2人に対して、「お前、成長できていないぞ。頑張れ」などと鼓舞したり、昔話を交えて説教したりしてはいけません。
リーダーがやるべきなのは、淡々と次の行動を考えさせることです。自らの置かれた状況が「ヤバい」ということを正しく認識させるのです。
競争したくなくて成長を諦めた人は辞めていくかもしれませんが、それを食い止める努力は、リーダーには必要ありません。
「リーダー=トッププレーヤー」という“ざんねんすぎる勘違い”
「渡り鳥の群れ」を見たことはあるでしょうか。いちばん速く飛ぶ鳥が先頭になって、それにみんながついていっている。そんな姿です。
ここで重要なのは、「先頭の鳥がリーダーではない」ということです。リーダーは、さらに上から全体を見渡し、指揮する立場にいます。先頭の鳥は、部下の中のトッププレーヤーです。
そして、先頭の鳥が速くなれば、群れ全体のペースも速くなります。競争している中で早く成長する部下が1人出てきたら、そこにチーム全体が引っ張られていく。これが理想のイメージです。
伸びる組織は、先頭のメンバーとの差がどんどん縮まっていき、全体が成長していきます。
伸びない組織では、リーダー自らが先頭の鳥となり、トッププレーヤーとしてチームを引っ張っていこうとします。
プレイングマネジャーの場合、リーダー自身も飛ぶ必要があるからです。
しかし、リーダーはトップになってはいけません。あくまでマネジャーとしての仕事を優先させるべきだからです。
(本稿は、『リーダーの仮面』より一部を抜粋・編集したものです)