国政選挙がネット投票に変わらない、ちょっとだけ怖い裏事情Photo:123RF

ネット投票実現の問題点は
全て克服できる

 衆議院選挙の投票日もだんだん近づいてきました。少し想像していただきたいのですが、スマホで投票ができたら楽ですよね。なぜ日本はネット投票を導入しないのでしょうか? 実は、そこにはある理由が存在しているという話をします。

 まずは表向きの話から。ネット投票が実現できたら基本的に良いことばかりです。何より投票が手軽になります。投票所に出かける必要がなくなりますから。そんなことから投票率が上がります。在外投票や障がい者の投票も便利になります。投票を通じて政治に参加する国民が増えることは、民主主義にとっては歓迎すべきことです。

 そして、投開票に関わるコストは論理的には減ります。無効票も減り、開票スピードは劇的に上がります。もし投票手段をネット投票のみに限定したら、選挙の投票が20時に締め切られる日本の場合、20時から始まる選挙特番の冒頭で、全議席が確定することになります。

 一方で、ネット投票を実現しようとすると問題点が存在します。

(1)個人情報をどう守るか?
(2)システム障害が起きたらどうするか?
(3)新たなタイプの選挙違反をどう防ぐか?
(4)サイバー攻撃によって国政がゆがむリスクをどう防ぐか?
(5)有権者がその選挙結果が公正であることをどう検証できるか?

 重要なことは、これらの問題点はすべて克服可能だという点です。