冷え、だるさ、むくみ、疲れ、肩コリ、腰痛、便秘、不眠といった、なんとなくの不調。『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。「自力整体」とは、人の手を借りずに、「整体施術のプロの技法」を自分におこなえる人気メソッド。東洋医学をベースにしながら効率的に問題解決するのも魅力の一つ。肥満やメタボ解消を目的とする実践者も多く「ゆるめるだけで自然にやせる」と話題。なぜ自力整体でスリムになるのか?(構成/依田則子、写真/榊智朗)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
骨盤まわりが硬い人は太りやすい?
私の教室を訪れる生徒さんは、最初は冷たくて硬い体の方がほとんどです。とくに骨盤まわりが硬い人は血行不良から太りやすく、便秘、冷え性、生理痛、不妊症など、何らかの不調を抱えやすい傾向です。
「自力整体」で骨盤まわりをゆるめていくと、代謝・排泄力はアップ。肌ツヤもよくなり健康的にスリムになっていきます。
じつは『すごい自力整体』の執筆時、「自力整体ダイエット企画」に挑戦していただける方を募りました。3ヵ月間、自力整体と「整食法」という食事法を実践していただいたのです。 すると3ヵ月後、8名の体験者のみなさんは見事に変わりました。
骨盤をゆるめるワークを中心におこなった結果、どんどん余分な体脂肪は落ちていき、便秘も解消。ボディラインはすっきり。同時に五十肩、背骨の湾曲、腰痛、股関節痛、不眠症、不定愁訴も改善されていかれました。
骨盤まわりをゆるめてスリムになる、夜と朝の習慣
おもに実施したのは、次の2つです。
① 週2回以上、寝る前に「自力整体」を20分間おこない、硬い骨盤まわりをゆるめて整える(*本で紹介した「20分間ショートレッスン」を実施)
② 夜と朝「整食法」を実施(夜寝る3時間前までに夕食を終わらせ、朝は固形物を控えスープやお粥などにする。内臓の休息時間を増やし骨盤まわりの緊張をとるものです。*できる範囲でOK)
その他、週1回、私の90分間オンラインレッスン参加と、個人カウンセリングなどをおこないました。
とくに、みなさん熟睡と便秘解消を実感されていました。自力整体をおこなうと副交感神経が優位になり、リラックスして熟睡できるので、夜間の代謝もアップ、翌朝の排泄もスムーズになるというわけです。これが健康的に美しくスリムになる理由です。①と②の詳細は『すごい自力整体』で紹介していますので、太りすぎや体調不良のある方は、ぜひお試しください。
最後に、骨盤まわりの硬さが気になる方は、「骨盤のゆがみチェック」をしてみましょう。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗