「NISA=若い人向け」は
勘違い
来年からNISAの制度が大幅に拡充されて新しくなるのはご存じの方も多いだろう。ただ、多くの人は「NISAは若い人が将来に向けて資産形成を行う制度だ」と思っているようだ。
確かにNISAという制度は若い人に向けた制度であることは確かである。詳細は筆者が年初に書いたコラム『2023年は「NISA」がアツい!投資する人は絶対使うべき理由』に譲るが、NISAは長期投資にとって有効な制度であり、短期売買には向かないからだ。時間を味方につけて資産形成を行うという前提ならば、若年層に最も大きなアドバンテージがある。
しかし、だからと言ってNISAは若い人だけが利用すべきものというわけではない。むしろ50代や60代といった中高年世代にとっても有効な制度なのである。
なぜかと言うと、若い世代とは異なり、シニア層はこれまでに蓄えた預貯金などの金融資産をある程度持っているからである。
シニアになって投資を始めるのであれば、よくわからないままにいきなり持っているお金や退職金の大半をつぎ込んで投資をするというのは決して好ましいことではないということは、これまでも度々繰り返してきた。
シニアでまとまった預貯金等のお金があったとしても、投資が未経験なのであれば少しずつ積み立てで投資をしながら、勉強していくべきなのだ。そういう意味では積み立て投資に最も適した制度であるNISAこそ、シニアが投資を始めるには最適なのである。