20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

早稲田大学のキャンパスは?

 4つのキャンパスに分かれている学部割れ大学だが、主要な文系学部は新宿区の早稲田「都の西北」エリアに集まっている。東京でも最大規模の学生街に取り囲まれ、ごちゃごちゃした活気にあふれている。ただし、西早稲田キャンパスと所沢キャンパスは、別大学のような雰囲気と扱い。

 早稲田キャンパスと西早稲田キャンパス間には、授業期間中は1日に25本ほどの無料連絡バスが走り、運転手に言えば戸山キャンパスや学生寮前でも降ろしてもらえる。

・早稲田キャンパス(政経・法・商・教育・社学・国際教養)

 通称「本キャン」。地下鉄東西線の早稲田駅から歩いて5分、JRと西武新宿線の高田馬場駅からもギリギリ徒歩圏内、おまけに路面電車の都電の駅も近くにある。早大の本部機能を有する早稲田キャンパスの交通事情は、かなり便利だ。

 近年、政治経済学部、法学部、社会科学部のガラス張り校舎など、従来の早稲田のイメージを打ち破る華やかな建物が急増。その一方で、学部によってはボロボロのままの校舎もあり、「学内ヒエラルキーを感じる」と学生たちはささやく。

・戸山キャンパス(文・文化構想)

 通称「文キャン」。「本キャン」から歩いて5分ほどの距離に、「文学部」と「文化構想学部」がある。女子学生が多いことから、「戸山女子大学」とも呼ばれている。本キャンより一人で過ごせるスペースが多く、“ぼっち”でも居心地がいい。

 2018年末には記念会堂に代わる多目的施設「早稲田アリーナ」(37号館)が完成。スポーツ施設や式典会場としての利用をはじめ、ラーニングコモンズ(W Space)や早稲田スポーツミュージアムなどが新たに整備された。「戸山の丘」という芝生スペースも人気。

・西早稲田キャンパス(基幹理工・創造理工・先進理工)

 通称「リコキャン」「大久保工科大学」。高田馬場駅からは徒歩15分とやや遠めだが、東京メトロ副都心線の西早稲田駅に直結しているため、こちらを使えばかなり便利。新旧入り交じった建物は、どれもコンクリートむき出しなので、学生からは「工場」というあだ名も。

 各種研究関連施設、メディアセンター、理工系の資料が充実した図書館などがそろう。61号館にある「WASEDAものづくり工房」には、工具や機器装置類がそろい、自由なものづくりも体験できる。授業が終わった後は、本キャンのサークルに参加する学生も多い。

・所沢キャンパス(人間科学・スポーツ科学)

 通称「トコキャン」「所沢体育大学」。栄えているとは言い難い埼玉の小手指駅から、畑や野原を眺めつつバスで15分。無料のスクールバスは、朝は数分おきに運行。片道200円の路線バスもある。キャンパス近くに「トトロの森」がある。

 夕方には人気がなくなり、夜の8時すぎにはほとんど誰もいなくなる。周辺にはこれといった飲食店もなく、良くも悪くもキャンパス内で完結する学生生活を送ることに。入試を「本キャン」で受けた新入生たちは、そのあまりの「ワセダっぽくなさ」にショックを隠せない。

 キャンパスのデザインは、早大OBの建築家が手がけた。メインの建物である100号館のテーマは、なんと「迷路」。学生たちは、「4階なのに地面があるから、自分が何階にいるのかわからなくなる」「打ちっぱなしのコンクリートがダンジョンみたい」と校舎という名の迷路に困惑させられ、授業までに教室にたどり着けない新入生の姿は春の風物詩。