慶應義塾大学のキャンパスは?
日吉、三田、矢上、信濃町、芝共立、湘南藤沢の6つのキャンパスがあるが、それぞれで雰囲気はまったく違う。日吉はチャラチャラ、三田はセカセカ、矢上はモクモク、信濃町はキチキチ、芝共立はホンワカ、湘南藤沢はサイバーといった感じ。
キャンパス間の学生交流は日吉、三田、矢上の間で多少あるが、信濃町や芝共立、湘南藤沢は独自の世界でほぼ完結している。
・日吉キャンパス(法・経済・商・理工1~2年次、医・文・薬の1年次)
SFCの3学部を除く全学部の新入生は、渋谷と横浜の間にある敷地面積約10万坪の日吉キャンパスで大学生活を始める。日吉駅の目の前から続く銀杏並木がメインストリートで、「銀杏の葉が散るまでに恋人ができないと4年間独り者」といったキャンパス伝説も。
裏手には通称「まむし谷」の雑木林もあり、大都会から遠くないのに緑豊か。三田と比べて「幼い」学生たちが行き交う様子は、賑やかで華やか。
部室やラウンジのある塾生会館、自習室やパソコン室が入っている藤山記念館、生協の購買施設棟、プール・ジム・薬局・タリーズなどが入っている協生館など、学生生活に欠かせない施設が充実。図書館を中心とした「日吉メディアセンター」(通称「メディア」)は、明るく開放的な空間に個人学習用やグループワーク向けなど多数の閲覧席があり、パソコン席や音楽や映画が楽しめるコーナーも人気。
・三田キャンパス(法・経済・商の3~4年次、文の2~4年次)
慶應の顔である三田キャンパスは、オフィス街に食いこむようなかたちで立地している。近隣にある複数の駅から徒歩10分圏内。学生数に比べて手狭だが、クラシカルな建物の数々が「慶應らしさ」を感じさせてくれる。ほとんどの校舎は古いものの、「歴史と伝統が刻まれている」とも言える。
明治45年に建設された赤レンガ造りの図書館旧館は、重要文化財にも指定されているだけに知の権威感たっぷり。2021年4月には、新しい大学ミュージアムである「慶應義塾ミュージアム・コモンズ」(通称:KeMCo)を開設した。
研究拠点の東館も、赤レンガ基調の外装になっている。第一校舎の南側にそびえる大イチョウの木は、待ち合わせによく使われている。
・矢上キャンパス(理工の3~4年次)
日吉キャンパスから、急坂(通称「理工坂」)を経て、6~7分の場所にある。見晴らしのいい高台に立地しており、天気がよければ新宿の高層ビル群や富士山が一望できる。
キャンパス内では、学生が暇を潰している姿をほとんど見かけない。研究室や実験室で過ごす時間が長いからで、夜遅くまで居残る学生や研究者も多く、「不夜城」などと呼ばれている(校舎は24時間開放)。
賑やかな日吉キャンパスのすぐ近くなのに、同じ大学とは思えないほどの静けさだ。「食堂も狭くて慶應じゃない感が強い」「慶應に陰と陽があるなら、うちは“陰”」とは矢上キャンパスに通う学生談。