5. ストーリーで心に訴求
総理は、ボディの二つ目である「震災復興」についての話しで、被災地で出会った少女のストーリーを語りました。
東日本大震災で母を亡くした少女の元に、生前、お母さんが少女に内緒で書いた「未来へ宛てた手紙」が届きました。その手紙を読んだ少女は、総理に「小学校を建てて欲しい」と伝えました。少女が、過去をふり返るのではなく、将来への希望を伝えてくれたことに心を打たれ、被災地の復興への決意を新たにしたというものです。
震災復興については、状況を客観的に描写し、理屈でその必要性を訴えるよりも、こうした一人の物語を語る方が、聴衆の心に響くといえるでしょう。
リーダーのメッセージ発信力がますます問われる時代へ
安倍総理の話し方については、まだ多少の改善の余地があるものと思われます。しかし、今回の演説に込められた、日本の未来をおびやかす数々の危機を何としても突破したい、という熱い思いと気魄は、国民に伝わったのではないでしょうか。
今夏の参院選から、インターネットを通じた選挙戦が可能になろうとしています。政治家にとって、これまで以上に容易に、かつ頻繁に、有権者にダイレクトに思いを伝えることができる時代、リーダーのメッセージ発信力がますます問われることになりそうです。
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