![アマゾンが関税局と対策強化へ…越境EC拡大で不正薬物・知財侵害の摘発が増加](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/0/c/650/img_0c569a03cbc46e8bf65763a73e582472232963.jpg)
越境ECの拡大により、輸入小口急送貨物への対応が急務になっている。航空貨物などによる不正薬物や知的財産侵害物品等が摘発される事案が増加し、ECプラットフォーム事業者のフルフィルメントサービスを利用した貨物について不適切な課税価格で輸入申告が行われるケースもみられる。財務省関税局・税関では、EC関連の新たなビジネスモデルの台頭に適切な対応を図るため、通関業者、ECプラットフォーム事業者との連携・協力を強化。令和5年度関税改正において制度の見直しを実施し、NACCS(輸出入・港湾関連情報システム)の更改時期も踏まえて施行する予定だ。(カーゴニュース編集部)
航空貨物の輸入許可件数は2019年比で倍
コロナ禍の巣ごもり需要などを背景とした越境ECの拡大に伴い、輸入申告件数が年々増加している。2021年の航空貨物の輸入許可件数は19年比で約2倍に増えた。航空便の減便によるスペースひっ迫などを背景に、近隣アジア諸国からの通販貨物の一部は海上貨物にシフトし、海上貨物の輸入許可件数も前年比2倍の伸びを記録した。
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輸入が急増しているのが、ECサイトを通じて海外の販売者等により販売され、国内の購入者に直接配送される「通販貨物」だ。ECプラットフォーム事業者が提供するフルフィルメントサービス(FS)を利用し、国内で販売することを“予定”して輸入される「FS利用貨物」の輸入も目立つ。
こうした中、航空貨物等による不正薬物や知的財産侵害物品の密輸が増加。FS利用貨物については、非居住者が輸入実績のある国内居住者の名義を勝手に使用する、いわゆる「なりすまし」により輸入を行う事案が発生。輸入時点で売買が成立しておらず、取引価格が存在していない中で不当に低い価格で輸入申告し、関税などを逋脱(ほだつ)する事案もみられる。
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