総務省が銀行のPCを監視!?メガバンク行員が呆れたマイナンバーカード普及狂騒曲の不毛そもそも、マイナポイントの申請はスマホでできるのだ。わざわざ民間企業である銀行にまでPCを設置して、この端末を利用した者は皆無という有り様。普及に必死なのはわかるが、これこそ税金の無駄遣いだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

支店に届いた
大きな段ボール箱

「何だこりゃ?」

 3年前の2020年、コロナ禍のさなか。支店に大きな段ボール箱が届いた。宛名は預金担当課長、つまり私のことだ。段ボールを開梱すると、ノートPC1台とICカードリーダー、それと飾り付けのPOPにのぼり一式が入っていた。

 説明書に従って組み立てる。カードリーダーをPCにつなぐだけならまだしも、初期設定を済ませるまでにかなりの時間を要した。なかなかに四苦八苦していると、私の作業を手伝うわけでもなく、遠巻きに見ていた主任が近寄ってきた。

「課長。忙しいのに何遊んでるんですか?」

 遊んでいるとは何事だ!と怒りたいのをこらえると、ふと我に返った。そうなのだ。一体自分は何をやらされているのか。

【こちらでマイナポイント申し込みできます!】

 そう書かれたのぼりを読み、自分が組み立てているのは、政府が進めているマイナンバーカード普及キャンペーンの一環、マイナポイント付与の申し込みをするためのPCセットだったことを理解した。銀行は多くの公共的な側面を担っているからこそ、国の政策に協力しなければならない場面も多いのだ。