開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。VAMOS代表の富永雄輔氏は、最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』で、子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」を提唱し、圧倒的な支持を集めている。本稿では、富永氏が登壇したオンラインセミナー(2022年10月開催)で、参加者から出た質問への回答を紹介する。

わが子を勉強嫌いにさせないために「親が注意すべき1つのこと」Photo: Adobe Stock

Q. 問題が解けないと、すぐにいじけてしまいます

質問者:小学生の子どもを持つ保護者

――うちの子どもは、問題が解けないと、すぐにいじけてしまいます。勉強に対するやる気を出してもらうために、何かいい方法はないでしょうか。

答えではなく、プロセスを大事にしてください

富永雄輔(以下、富永):問題が解けたかどうかではなく、勉強に取り組む姿勢を褒めてあげましょう。

 たとえば、問題を解けなくても、1行でも式を書いていたら、その式を書いたことについて褒めてあげましょう。

 もし3行書けていれば、こんなにできてるじゃないと、途中までのプロセスを褒めてあげましょう。

 そうすれば、子どもは自分がやっていることに自信を持つことができるので、そこからさらにやってみようという気持ちが湧いてきます。

ひとりっ子の親ほど、子どもに期待してしまう

富永:特にひとりっ子の親は、きょうだいを育てている親と比べると、わが子に対して高い期待を寄せてしまう傾向にあります。

「この子の子育てには失敗できない!」というプレッシャーがあるのかもしれませんし、きょうだいがいない分、教育にお金や時間をかけているからかもしれません。

 そういった親の期待は、子どもに伝染してしまい、親の期待に応えられない子どもは自己肯定感を失ってしまいます。

 ですので、お子さんを褒めるときに、結果だけを褒めないようにしてください。

 私は、「テストの偏差値や点数は、6年生の秋までは見なくていい」とよく言っています。

 テストの点数、順位や偏差値ではなく、答案の中身や取り組む姿勢に着目して、褒めてあげてください。