冷え、だるさ、むくみ、疲れ、肩コリ、腰痛、便秘、不眠といった、なんとなくの不調。『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。「自力整体」とは、人の手を借りずに、「整体施術のプロの技法」を自分におこなえる人気メソッド。東洋医学をベースにしながら効率的に問題解決するのも魅力の一つ。肥満やメタボ解消を目的とする実践者も多く「ゆるめるだけで自然にやせる」と話題。なぜ自力整体でスリムになるのか?(構成/依田則子、写真/榊智朗)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家

太らない人が無意識にやっている習慣とは? 整体プロおすすめ自然にやせる3つのワーク

太りやすい人は呼吸が浅い?

 長かったマスク生活で、呼吸が浅くなっている人は多いのではないでいでしょうか。

 浅い呼吸は脳や筋肉に充分な酸素が行き届かず、血液循環も悪くなり、様々な不調が表れやすくなります。冷え性、むくみ、便秘、代謝も悪くなるため、ダイエットをしても結果がでにくいのが現実。太りやすい人、やせにくい人は、呼吸が浅い傾向です。猫背も呼吸が浅くなる理由の一つ。胸郭(ろっ骨)が硬く縮んでいるため、深い呼吸がしづらいのです。

 一方、私の生徒さんでダイエットを目的とされている方は、自力整体で深い呼吸が自然にできるようになると、どんどん健康的にスリムになっていきます。

 そこでおすすめなのが自力整体の「胸郭ほぐし」のワーク呼吸が深くなり、血流改善、代謝アップに役立ちます。

 じつは『すごい自力整体』の執筆時に募った8名のダイエット体験者のみなさんも、それを証明してくださいました。3ヵ月間、自力整体を実践した結果、意識しなくても呼吸が深くなり、冷えを改善、毎朝のお通じもよくなり、スルスルと体重は落ちていきました。

 3ヵ月後、みなさんは若々しくスリムに。同時に五十肩、背骨の湾曲、腰痛、股関節痛、不眠症、不定愁訴も改善されました。

 ウェブ読者のみなさんにも本の中から「胸郭ほぐしのワーク」を3つ紹介しましょう。どれか一つでもおこなえば、意識しなくても呼吸は深くなり代謝はアップします。

太らない人が無意識にやっている習慣とは? 整体プロおすすめ自然にやせる3つのワーク矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗